廬山温泉 仁愛郷農会農特産品展售中心

台湾


(2024年1月訪問)
前回記事で取り上げた廬山温泉の源泉付近から温泉街へ戻る途中、歩道に面して建つ施設の塀から湯気を立てながらお湯が捨てられている光景を目にしました(上画像)。あれれ?と思って塀の隙間から内側を覗いてみますと、露天風呂のようなものがあるではありませんか。


ダメ元でこの塀を擁する「仁愛郷農会農特産品展售中心」と書かれた建物を訪ねてみることに。位置としては源泉へ向かう歩道の入口付近、警光山荘の斜前に当たります。はたして旅館ではない施設でも温泉に入れるのでしょうか。


農会農特産品展售中心、つまり地元農協の特産品販売センターといったところでしょうか。でも観光客の姿がすっかり消えてしまった現在の廬山温泉で商売などできるはずもなく、保存の利く飲料や乾燥した物などが僅かに売られている程度で商売っ気はほとんど感じられません。
玄関を入ってみますと、中から帽子をかぶったお爺さんが出てきて、要件を聞いてきます。そこで私が「温泉に入りたい。水着は持っている」と伝えますと、300元と即答してくれました。ちょっと高いかなぁと思いつつも、お風呂に入ってみたい欲求の方が勝ったため、300元をお爺さんに手渡すと、お爺さんはお金をズボンのポケットにねじ込み・・・


あそこで着替えなさい、と建物裏手の更衣室を指さしたのでした。2室ある更衣室にはそれぞれシャワールームが併設されており、空いている方を使えば良いのですが、台湾の古い温浴施設によくある話で、このシャワー室は薄暗くジメジメしているため、この手の雰囲気に慣れていないとちょっと着替えにくいかと思います。


さて、水着に着替えたら露天風呂へ向かいましょう。
茶具やいろんなものがゴチャゴチャとたくさん置かれっぱなしになっているテーブルの前を通過すると・・・


こちらが塀の隙間から見えた露天風呂です。
いわゆる岩風呂のような構造で、面積自体はそこそこ広いのですが、頭上は落ち葉除けのネットで覆われており、また周囲の塀などで囲まれているため、露天風呂に期待したくなるような開放感はあまり得られません。


こちらは温泉の投入口。「熱水」と書かれた配管から結構熱い温泉が注がれ、その右手の配管からは冷水が投入されています。配管を覆い隠さず剥き出しにしちゃっているのが、いかにも台湾らしいところ。この配管の後ろに黒くて丸いタンクが見えますが、源泉から引いてきたお湯は一旦このタンクに貯められ、適量が浴槽へ注がれた後、余剰のオーバーフローが道路へ捨てられていたのでしょう。


湯加減は日本人好みの41℃前後で、なかなか良い湯でしたよ。廬山温泉らしいお湯で、ほぼ透明ですがほんのりと黄土色を帯びており、カルシウム分を感じさせてくれる土類泉的な味と引っかかる浴感が得られます。湯使いはおそらく加水かけ流しかと思われます。


ちなみに、露天風呂には「大衆池開放時間」というものが設定されているようですが、私はこの時間を過ぎた時間に入っても全く問題なく、他のお客さんも同様に設定時間を無視して湯浴みを楽しんでいらっしゃいました。そのあたりの鷹揚さも台湾のいいところでもあります。

南投県仁愛郷榮華巷45號

入浴時間9:00~10:00, 15:00~22:00
(しかし本文中でも述べたようにこの時間は守られていないようです)
300元
ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5

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