下風呂温泉 新湯

青森県

下風呂温泉に二つある共同浴場のうち、大湯は以前レポートしたことがありましたが、なぜか新湯はスルーしたままでしたので、今回取り上げてみます。


温泉街の東側、坂を上ったドン詰まりに位置する共同浴場「新湯」。周囲には同じく新湯源泉を引いている宿が並んでいます。
現金で利用する場合は券売機で支払い、番台のおばちゃんへ券を手渡します。温泉手形利用の場合はそのおばちゃんにシールを1枚剥がしてもらうことになります。


内部のレイアウトは至ってシンプルな昭和の銭湯スタイル。牛乳やポカリが入っている冷蔵庫がありますから、飲みたいときは自分で取り出して、番台にお代を払いましょう。


浴室入口扉の上には、横長の木板に書かれた分析法が掲げられています。この木板自体はそんなに古くなさそうですが、陰イオンと陽イオンが区分されずに羅列されていたり、「重炭酸イオン」「リュウマチス」「萎黄病(鉄分不足の貧血のことですね)」などなど現代の温泉分析表では見られないちょっと懐かしい用語が記されているので、きっとかなり古い分析表を板へ書き写したのでしょうね。


浴室にはシャワー付き混合栓が3基。洗い場の床も浴槽も木製ですが、浴槽には「大湯」同様に水色のペンキが塗られています。腐食を防止する目的があるのでしょうか。プールみたいですね。

お湯はほぼ無色透明ですが、お湯に浸かって湯中をよく見ると、白く細かな粒子が無数に舞っていました。コロイド粒子がもう少し多ければ白濁して見えるのでしょうが、いかんせん少ないので、濁るというより微かに霞むと表現したほうが実情に則しているかと思います。硫黄味と酸味が混じった味で、酸性のため口腔が収斂します。けっこう酸っぱいですよ。匂いは硫黄臭ですが、それほど強くなかった気がします。ちょっと熱めですが、ツルスベ感があって、肌触りは良好。


湯口は小さな源泉溜まりの桝になっており、コップが二つ置かれています。酸っぱいお湯なので、いくらコップがあるとはいえ、さすがにゴクゴク飲めるわけないですね。

さてこの新湯ですが、年を経るに従ってどんどん薄くなっているというのです。下風呂関係者の某氏曰く、ここはあまり薦められない、とのこと。たしかにこのお湯しか無ければ、酸性と硫黄がよく出ている特徴的な温泉として捉えられるかと思うのですが、下風呂には他に大湯や海辺地源泉があって、それらの方が明らかに個性的で濃厚なので、相対的に新湯がインパクトや面白みに欠けちゃうことは否めません。掛け流しでいいお湯であることは間違いないのですが、同郷の他源泉と比べちゃうと訴求力が弱いので、残念な評価となっちゃいました。なんだか可哀想…。もっとも、毎日使うのなら、余計な浮遊物が少ないこちらのお湯の方がいいんでしょうね。

含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(硫化水素型)

JR大湊線・下北駅から下北交通バス佐井・大間方面行で下風呂下車(約1時間10分)
青森県下北郡風間浦村下風呂字家ノ尻13  地図
0175-36-2860

4月1日~10月31日→7:00~20:30、11月1日~3月31日→8:00~20:30、火曜定休
300円
備品類なし

私の好み:★★

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