「劇団わらび座」という演劇グループが運営する秋田県仙北市の「たざわ湖芸術村」は、「わらび座」の本拠地となる舞台の他に宿泊施設、温泉、地ビールのレストラン、森林工芸館、芸能研究所など様々な施設によって構成されている総合的なレジャー施設なんだそうですが、そんなことも露知らず、ただ温泉があるという情報だけを頼りに、秋の某日、芸術村の大きな核となっており「温泉ゆぽぽ」へと向かいました。こちらの温泉は宿泊施設に付帯している温泉浴場という位置づけのようですが、入浴のみの客も気軽に利用することができます。
ちなみに画像左(上)は「温泉ゆぽぽ」の宿泊棟でして、ここの宿泊客も後述するお風呂を大浴場として利用することになります。また画像右(下)は地ビールがいただけるブルワリー「田沢湖ビール」です。訪問日は私一人で車を運転しておりましたので、残念ながらビールを飲むことはできず…。
大きな壺が飾られているえらく立派で広いロビーに、卑屈な貧乏性の私はちょっとたじろいでしまいました。受付で直接スタッフさんに料金を支払い、このロビー右手から奥へ延びる廊下を進み…
渡り廊下を歩いて浴場棟へと進みます。記憶はおぼろげなのですが、確かこの廊下の先で宿泊棟との連絡通路に合流しているんじゃなかったかな。
浴場には男女別に小浴場と大浴場があり、小浴場は文字通りこじんまりしていながらもサウナ併設、大浴場は内湯ながらも庭園を眺めながら檜のお風呂でのんびり寛げる造りとなっているんだそうです。
まずは小浴室から覗いてみましょう。
さすが宿泊客も利用するお風呂だけあって脱衣室は綺麗で清潔、備品類も一通り揃っており使い勝手も問題ありません。
ガラス窓の向こうに庭園が広がる浴室。浴槽は3~4人サイズで、サウナと樽の水風呂も据え付けられており、洗い場にはシャワー付き混合水栓が3基設置されています。湯船のお湯は薄い黄色を帯びた温泉が使われており、お湯のフィーリングなどに関しては後述する大浴場の箇所にて述べますが、こちらのお湯は加温循環消毒がばっちり行われているようで、失礼ながら私の記憶にはあまり印象に残っていません。ほかのお客さんの利用状況を見る限りでは、小浴場はお風呂目当てというよりサウナに入りたいお客さんによって利用されているように思われます。
続いて大浴場へ。入口は小浴場との並びにありますから、存在に気付かないことはないでしょうね。
さすが大浴場を称するだけあって脱衣室は広々しており、他のお客さんとの干渉を気にせず着替えることができました。お手入れもよく行き届いており、綺麗で衛生的です。
室内には檜材がふんだんに使われており、特に梁の立派さには驚かされます。これらの梁がむきだしとなっている天井はとても高く、大きな窓ガラスからは外光が燦々と降り注ぎ、床面積も非常に広々しているため、室内空間とは思えないほどの開放感がありました。室内には浴槽が大小1つずつ据えられています。
洗い場にはシャワー付き混合水栓が13基。各シャワーには全国の温泉施設でたまに見かける馬油シャンプーが備え付けられています。
大きなガラス窓に面した大浴槽は20人以上でも同時に入れそうなほど広いものであり、立っているときにはもちろん、湯船に浸かっているときでも、窓の外の庭園を眺めることができました。一方、張られているお湯は小浴場と同じく薄い黄色透明で、加温加水循環消毒という湯使いであるため、次に述べる小浴槽よりはるかに源泉由来の知覚が弱く、むしろ塩素臭が気になってしまい、塩素臭嫌いの私は、残念ながらせっかくの窓の景色を湯船でゆっくり楽しむ気にはなれませんでした。でも湯口とは反対側の浴槽縁からはオーバーフローが見られ、人が湯船に入ればしっかりお湯が溢れ出てゆくので、完全循環ではなく半循環なのかもしれません。
「温泉ゆぽぽ」の中で私が最も気に入ったのはこの小浴槽です。「微温湯(ぬるゆ)」と称されているこの浴槽には36度の源泉が加温されることなく注がれており、塩素臭も感じられなかったため、おそらく源泉かけ流しに近い状態のお湯かと思われます。浴槽には丸太が渡されており、ここに頭を載っけることによって寝湯が楽しめるわけですが、不感温度帯である上に、他の浴槽と違ってお湯の鈍りや塩素臭などが無いため、実際に入ってみると非常に気持ち良く、いつまでも長湯していたくなるような夢心地に浸れました。お湯の特徴としては薄い黄色透明、弱塩味+芒硝味+弱金気味、弱金気臭+芒硝臭が感じられます。明らかに他の浴槽より匂い・味ともはっきりと伝わってきました。
比較的遅い時間まで営業しており、お風呂は広くて使い勝手は良好なので、かけ流し云々にこだわらなければ、とっても便利なお風呂といえるでしょうね。お湯のクオリティにこだわる方でも、上述のように大浴場の小浴槽でしたら納得していただけるような気がします。きっと…。
わらび温泉
ナトリウム-硫酸塩泉 35.3℃ pH不明 220L/min
Na+:1048.0mg, Ca++:79.9mg,
Cl-:352.4mg, SO4–:1977.0mg,
H2SiO3:49.3mg,
加水あり(温泉成分が高濃度のため井戸水を加えて希釈し資源保護に努めている)
加温あり(源泉温度が低温のため)
循環装置使用・消毒処理あり
秋田県仙北市田沢湖卒田字早稲田430
0187-44-3333
ホームページ
小浴場12:00~22:00、大浴場10:00~22:00
600円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
(ロッカーは数が少ないのでフロントに預けたほうが吉)
私の好み:★+0.5
コメント
こんにちは
K-Iさんは北区ご出身ですよね?王子神谷に「中華そば伊藤」という店がありますよね。個人的に東京一美味いラーメン屋と思ってます。その本家筋(兄貴)の店が仙北市角館にあり、ラーメンは王子神谷ほどではないですが、兄貴店主のキャラがとてもいい味出してるので、田沢湖周辺巡る度に訪れてます。
もしやK-Iさんならどちらも行かれたことがあるのでは?と思いチラ裏コメさせていただきました。記事に関係なくすみません。それにしても、貴ブログを見てたら、また秋田や青森に行きたくて行きたくて仕方なくなってしまいました(笑)
Unknown
国民温泉さん、こんばんは。
>「中華そば伊藤」
名前は聞いたことがあります。北区出身とはいえ、今の生活圏は別の場所なので、残念ながらそこで食べたことはありません。それにしても王子神谷のラーメン屋さんの本家筋が角館にあるとは意外ですね。田沢湖周辺には何度も訪れているのに、知りませんでした。今度北区方面に行く機会があれば、まずは「中華そば伊藤」から味わってみたいと思います。ありがとうございます。