(2024年1月訪問)
このブログでもほぼ定期的に記事にしているように、毎年私は台湾へ出かけておりますが、最近は台北を観光する機会が減っており、行き帰りの飛行機に乗るために台北を経由する程度です。しかしながら、先日行われた台湾総統選ではやはり大都市の台北市や新北市で選挙運動が盛り上がっていましたので、総統選を見学することが主目的だった今年(2024年)1月の台湾訪問時では台北近郊の新北市板橋で1泊しました。そして、せっかく台北にいるのだから温泉に入らないのはもったいないと考え、MRTに乗って久しぶりに台北の温泉に入ってまいりました。台北は地下鉄に乗れば温泉に入れるのでとっても便利ですね。今回訪ねた台北の温泉は全てこれまで拙ブログで取り上げている施設ですので、改めて拙ブログで取り上げることは避けますが、その中でも例外的に「北投青礦名泉」だけは今回記事に致します。
北投の温泉街から外れた市街地の中にある「北投青礦名泉」は、かつて「北投温泉公共浴室」という名称で営業しており、2010年には拙ブログでも記事にしております(当時の記事はこちら)。
その後、詳しい時期は忘れてしまいましたが、数年前だったか10年ほど前だったかにリニューアルされ、「北投青礦名泉」という名称で再スタートしております。リニューアル後の当施設については、以前から立ち寄ってみようと思っていたのですが、上述のように空港以外で台北を周遊する機会が無かったため、なかなか訪ねられずにいたのです。
本当にこんなところに温泉浴場があるのかしら、と思ってしまうほど温泉地らしくないごくごく普通な台北の市街地にあるのがこの浴場。上画像が正面玄関とその内部にある受付(番台)の様子です。ビルの1階と2階が温泉浴場となっており、1階が裸で入る大衆浴場で2階は個室風呂という基本的な構造はリニューアル前と同様なのですが、料金は大幅にアップしており、以前は1階大衆浴場が80元で2階個室風呂は250元だったものの、現在大衆浴場は150元で個室風呂は400元となってしまいました。倍近い上昇率には驚いてしまいますが、台北は何でもかんでも物価が高騰していますから、仕方ないのかもしれません。
リニューアル後の大衆浴場の様子を見てみても良かったのですが、この時は誰にも邪魔されずに一人で湯浴みしたかった気分だったので、番台でその旨を伝えて400元を支払い、個室風呂がある2階へと上がります。
階段を上がってすぐのところに上画像のカウンターがあり、カウンターを囲むように個室風呂が並んでいます。ここで改めて個室風呂を利用したい旨を伝えると、利用可能な個室を案内してくれます。なお画像は写していませんが、このカウンターの左手にはドクターフィッシュの足湯があります(有料ですよ)。
今回私が案内された浴室がこちら。狭くて飾り気が無く圧迫感しかなかった以前の個室風呂とは違い、以前の約1.2~3倍ほどの広さが確保されたり、部位によって用いる建材を変えたりと、リニューアル後の個室風呂は大幅な仕様変更がなされており、これなら快適に入浴できそうだと期待に胸を膨らませながら・・・
温泉のコックを開けて空っぽの浴槽にお湯を張り始めました。コックのところに書かれた文字のうち、「自来水」は普通の水道水で「熱青礦」は源泉から引いている熱い温泉です。なお「冷青礦」のコックは全開にしても何も出てきませんでした。この浴場に引かれているお湯は北投温泉の青礦と呼ばれているタイプのもので、秋田県の玉川温泉並みに強烈な酸性です。そのためかリニューアルして10年前後なのに、既に湯口周りは強酸にやられてボロボロになっていますね。源泉のままでは熱くては入れないので、相当な量の水道水で薄める必要があります。
お湯を注ぎ始めてから5分強で浴槽にお湯が溜まりました。温泉だけではなく水道水も大量投入していたので、早くお湯が溜まったのでしょう。
湯船のお湯は一見すると無色透明に見えますが、よく見るとほんのり黄色や緑色を帯びているようでもあります。上の画像を見る限りではその名の通り青っぽい色にも見えますね。この青礦は、いわゆる白濁硫黄泉のようにお湯から硫黄の香りが漂ってくるわけではないのですが、湯面からは酸っぱい匂いがほんのり香ってきます。そしてちょっとでもお湯を口に含むと強烈な酸っぱさが口腔内を刺激してきます。下手に口に含むと歯にダメージを与えてしまうかと思いますので、もし口に入れてしまったらすぐに真水で漱ぐことをおすすめします。
この浴室内で服を脱いで実際に湯船へ入ってみますと、大量加水しているにもかかわらず強酸の猛烈な刺激性は弱まっておらず、カラッカラに乾燥した東京の冬で荒れ放題の私の肌にこの強酸性のお湯がたちどころにしみ込んで、ヒリヒリとして痛いのなんの。湯加減はちょうどよいのですが、とにかく荒れた私の肌には酸の刺激が強すぎてしまい、あまり長湯できませんでした。これはお湯が悪いのではなく、私の弱い肌が悪いのです。もっと言えば、数年前までは強酸性の温泉でも問題なく入れた私の体が、ここ数年で急激に老化し、乾燥や刺激に弱くなってしまったことが原因なのです。あぁ悲しい。以前は強酸性だろうがアルカリ性だろうか強食塩泉だろうが不衛生そうな野湯だろうが、どんなお湯でもヘッチャラで入れたのに、最近は体が刺激を受け付けなくなってしまったようです。かく言う私も肌荒れしていない冬以外に入浴すれば大丈夫だったのかもしれません。
強い酸のお湯ですから、それこそ一部の皮膚疾患などには効果覿面でしょうし、草津温泉や玉川温泉で期待されるような効能もここで十分に得られるかと思います。
なお、北投から稜線を挟んだ東側に広がる行義路温泉では、強酸性ではなく、比較的刺激がマイルドな白濁した酸性の硫黄泉に入れます。もちろん行義路温泉についても拙ブログで過去に何度か取り上げていますので、宜しければご覧ください(台湾の目次から当該ページへ飛んでください)。
台北市北投区中央北路一段12号
電話(02)2895-3030
24時間営業 無休(ただし春節の大晦日のみ18:00~翌朝まで休業)
大衆浴場150元
個室風呂400元
私の好み:★★+0.5
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