猫魔温泉 裏磐梯レイクリゾート 五色の森

福島県

(2023年8月訪問)
前回記事に引き続き2年前の記録で申し訳ございません。
真っ碧な夏空のもとで裏磐梯の五色沼を散策したらさぞ爽快だろうと考え、2023年の8月某日、桧原湖畔に位置する「裏磐梯レイクリゾート 五色の森」で一泊しました。かつては「裏磐梯猫魔ホテル」という名称で、その時代に私は日帰り入浴で一度利用したことがあるのですが、あれから約15年近い時間が経ってしまい、どのようなお風呂でいかなる泉質だったか、ほとんどの記憶が忘却の彼方へ消え去ってしまったため、記憶を蘇らせたいと考えたことが今回このホテルを予約した理由の一つ。そして、仕事の都合で旅行の予定がなかなか立てられず、直前になって予約を試みたため、このエリアの他のホテルは悉く満室で、辛うじてお部屋を確保できたのがこのホテルだった、という事情もあります。収容可能客数が多いため、繁忙期でも比較的予約が取りやすかったのでしょう。

御影石を多用した大規模かつシンメトリなファサードは、どこぞの国家の政府機関かと見まがう程です。このホテルの前身である旧「裏磐梯猫魔ホテル」はバブル景気が弾けた1992年に開業していますが、ということは、計画や設計、建築はバブルが弾ける前の日本景気が華やかなりし頃に行われたわけで、当時の金額で総工費はなんと320億円。バブルだったからこそ実現できた豪華建築と言えそうです。
この日も広い駐車場へ次から次に車が集まり、ものすごい数のお客さんが続々とフロントロビーへ吸い込まれ行列を成しています。私もその列に並んでチェックイン。

今回利用した客室は大変ゆったりしており、リビングルームとベッドルームが分かれているような造りなのですが、広いお部屋に慣れない私はスペースを持て余してしまい、意味も無く室内をグルグル走り回ってみたり、四肢を伸ばして体操してみたり…。多少生活に余裕が出てきたとしても、心は貧乏なままなのね。

こちらはベッド側。アメリカのホテル並みにゆとりがあります。開業から何度か内装も改装されてきたのでしょうけど、建てられたのがバブル期ゆえ、どうしても昭和末期から平成初期の雰囲気が抜けきれないんですね。でも綺麗に維持されており、設備面も問題なく、快適に過ごすことができました。

館内の一角では会議室と思しき空間が開放されており、ホテルの宿泊客は、檜原湖を一望するそのお部屋を自由に使うことができました。このお部屋もどことなく昭和な感じが漂い、その広さが禍して少々殺風景な室内空間になっているような気がします。

さてお風呂へ参りましょう。浴場内の画像については公式サイトから借用させていただきました。
上画像は男湯の内湯である「オーロラ大浴場」です。お風呂も大きくて広く、非日常感たっぷり。私が宿泊したのはちょうどお盆休みの只中。お風呂は宿泊客のみならず日帰り入浴客も加わって大変混雑していたのですが、しかしながらその広さゆえに混雑を感じさせません。またこんな広いお風呂は初めてなのか、各ファミリーのお父さんと一緒に入っていた子供たちはみんなおおはしゃぎでした。

こちらの画像は同じお風呂を窓側から洗い場に向かって撮ったものです。大きな浴場なのですが、浴槽は2つしか無く、ひとつは画像に写っている窓下の主浴槽。もうひとつはかけ流しを謳っている小浴槽です。両者のお湯については後ほど述べます。

こちらは男湯の露天風呂。檜原湖を一望できる眺めの良い露天風呂です。冒頭で申し上げましたように、私は旧「裏磐梯猫魔ホテル」時代に訪問したことあるのですが、館内や内湯の様子はすっかり失念してしまったものの、さすがにこの眺めが良い露天風呂に入ると当時の記憶が蘇ってきました。間違いなくこの露天風呂には入ったことがあるぞ。

こちらの施設では全浴槽で温泉が使用されています。とは言え浴槽によって湯使いが異なり、この眺めが良い露天風呂や内湯の小さな浴槽はかけ流しで、内湯の大きな主浴槽は循環となっているようです。かけ流しと言っても源泉がそのまま投入されているわけではなく、どうやら相当加水されているらしく、源泉のお湯に含まれているはずの本来の特徴、即ち金気や塩気がかけ流し浴槽のお湯からあまり感じられません。循環浴槽に至ってはほとんど真湯に近い状態でした。

館内にはこのように浴槽別の湯使いに関する説明が一覧になっており、具体的かつ詳細に説明するところに施設側の誠意が感じられます。上述の加水について「気温が高く湯温を熱く感じる場合のみ加水してい」るとのことで、たしかに私が訪ねた日は裏番台でも日中にはかなりの猛暑に見舞われましたから、それが原因で加水されていたのかもしれません。ということは、冬に利用すればまた違ったフィーリングが得られるのかもしれませんね。

ちなみに約15年前に入浴した当時の私が書いた旧「裏磐梯猫魔ホテル」時代のメモ(日記)を読んでみると「本来は無色透明だが空気に触れ冷めることにより粒子状の細かな(よく見ないとわからない)湯の華が現れて赤茶色く濁って見える。しかし金気は感じず味もあまり無い。消毒剤投入のためカルキ臭はっきり。大浴槽は循環濾過しているため単なるお湯と化している」と記述されていました。当時から経営母体が何回か変わり、その都度ホテル名も変更されていますが、どうやら湯使いやお湯の特徴に関してはさほど変わっていないようですね。ただし当時と異なり今回は消毒臭があまり感じられなかったことをお伝えしておきます。

裏磐梯の観光拠点として良い立地にありますし、比較的リーズナブルに宿泊できるのは嬉しいところ。非日常感を存分に堪能できる大きな内湯や眺めの良い露天風呂、そしてバブル経済の名残というべき立派な大規模建築を体感できるという意味でも、なかなか興味深く想い出に残るホテルでした。

湯平山源泉
ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 51.8℃ pH6.2 622L/min(掘削自噴) 溶存物質1.597g/kg 成分総計1.812g/kg
Na+:336.1mg(70.80mval%), Ca++:47.9mg(11.58/mval%), Fe++:3.7mg,
Cl-:428.6mg(59.02mval%), SO4–:250.9mg(25.50mval%), HCO3-:192.3mg(15.38mval%), 
H2SiO3:234.5mg, CO2:215.7mg,
(令和4年10月26日)
加水あり(気温が高く湯温を熱く感じる場合のみ)
加温あり(入浴に適した温度に保つため)
消毒あり(衛生管理のため塩素系薬剤を使用)
内湯大浴槽は循環ろ過あり

福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字湯平山1171-1
0241-37-1111
ホームページ

日帰り入浴 9:00~10:30(最終入場9:30)/13:30~21:00(最終入場20:00)
1200円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★

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