(2024年12月訪問)
手の出しやすい小さな贅沢、たとえば湘南新宿ラインのグリーン車や小田急線のロマンスカー、仕事疲れて移動する際のタクシー、お寿司の特上、いつもより時間を延長させたマッサージ、喫茶店で注文するスペシャリティーコーヒーなどなど列挙にいとまがありませんが、この手のささやかな贅沢は一度手を出すとやめられなくなってしまいます。私にとっては一人で利用する家族風呂も小さな贅沢のひとつであり、しかも孤独な空間を好む性格なので、自分好みの誰もいない空間で大好きな温泉に入れることはこの上ない至福なのです。社交性に乏しい生来の根暗でごめんなさい。青森県の温泉には家族風呂を併設している施設が多いので、私のような性格の人間が湯めぐりするには最適な地域です。
2024年12月に青森県津軽地方を訪ねた際にも、訪問先の温泉施設ではできるだけ一人きりで入りたいなぁと考えており、その中でまず向かった先が、今回記事で取り上げる「板柳ふるさとセンター 青柳館」の家族風呂でした。こちらの大浴場は何度か利用したことがあるのですが(ブログの記事にはしていません)、家族風呂は今回が初めてです。なお男女別大浴場は2020年にリニューアルされたらしく、どのように変化したのか見てみたい願望もありましたが、今回は敢えて家族風呂を選択しました。
なお「板柳ふるさとセンター 青柳館」の家族風呂は予約制なのですが、予約できるのは利用の前日からで、しかも電話もしくか窓口で予約するというアナログなスタイルをとっています。しかも、空いていればいつでも使えるわけではなく、10:30~11:30、12:00~13:00、13:30~14:30…といったように利用時間帯の枠が設定されており、希望の時間帯で且つ2室しかない家族風呂のいずれかが空いていれば予約可能になります。そのかわり一人だけの利用も歓迎してくれますので、私のように一人だけで入りたいワガママさんも遠慮せずに利用できます。
今回の訪問時、当日の午前11:00頃に電話したら12:00~13:00の枠が空いていたので、その枠を利用することにしました。ちょっと早めに現地へ着いたため、入浴前に同じ建物内にあるレストランで、ラーメンをいただきました。このラーメンはなんと650円というリーズナブルな価格で、ご当地名物のリンゴジュースをつけても750円なんですから、何でもかんでも物価高騰のご時世でこの安さは驚きです(価格は利用当時のもの)。
食後、カウンターで食事代とお風呂代をまとめて精算。支払いが済むと、貸切風呂の室名が書かれた札が手渡されます。
館内の通路を進み、途中で大浴場へ向かう通路から分かれて左折します。家族風呂はリンゴの産地に因んでネーミングされた「ふじの湯」と「王林の湯」の2室があり、両室はシンメトリな造りになっています。今回は右側の「ふじの湯」を利用します。室名プレートの下に、受付で手渡された「入浴中」の札を下げておきます。
綺麗に維持されている室内にはトイレ・エアコン・洗面台、そして2畳ほどの小上がりがあり、宿泊もできちゃいそうな感じ。なおドライヤーも用意されていますが、ティッシュ・シャンプー類・石鹸などの消耗品はありません。またタオルもありませんので、消耗品の類やタオルが必要な方は付近のコンビニで調達する等など事前の準備が必要です。
タイル張りの浴室内は広くて明るくて綺麗。快適な入浴環境です。
なお洗い場にはシャワー付き混合水栓がひとつ取り付けられており、シャワーから出るお湯は真湯です。
湯船は2m×1.5m程の大きさで、2人だったら問題なく同時に入れそうな、ゆったりとした造りです。琥珀色で透明の温泉がしっかり掛け流されていますが、源泉温度が高いため若干加水されているようです。湯船を満たしたお湯は奥の溝へ向かってオーバーフローしているのですが、湯船の容量に対してお湯の投入量が多いのか、あるいは排水が細いのか、私が湯船に入ると排水が間に合わず手前の洗い場側にも勢いよくオーバーフローしました。
湯口から注がれる温泉からは、淡いアブラ臭のような香りがプンと漂い、口に含んでみますと塩味がはっきりと感じられ、出汁味や少々のほろ苦さも確認できます。いかにも津軽平野らしい化石海水由来の泉質であり、その上アブラ臭が加わってくるあたりに板柳という土地の個性があらわれているようでもあります。なお湯の花などの浮遊物は見られませんが、細かな泡がたくさん発生しており、湯船の中に浸かると肌に気泡がしっかり付着しました。分析表を見ると炭酸イオンが29.9mgも含まれており、その影響か、湯中においてはツルツルスベスベとした滑らかな浴感がしっかりと感じられました。
余談ですが、板柳の温泉といえば強いアブラ臭でマニアを唸らせてきた「あすなろ温泉」が閉館してしまったことは残念で仕方がありません。さすがに「あすなろ温泉」の源泉と比べるとこの「板柳ふるさとセンター 青柳館」のお湯から香るアブラ臭は力不足が否めませんが、良泉であることには違いなく、しかも綺麗で且つ使い勝手が良いので、利用価値が十分高い施設と太鼓判を押せます。今回は北里さん1人と100円玉3枚でかけ流しの温泉を独占し、孤独の温泉で小さな贅沢を楽しませていただきました。
次回訪問時はリニューアルした大浴場を利用してみたいと思います。
ふるさと温泉
ナトリウム-塩化物温泉 49.8℃ pH8.0 湧出量測定不能(掘削動力揚湯) 溶存物質5.987g/kg 成分総計5.987g/kg
Na+:2078mg(94.54mval%),
Cl-:2968mg(89.29mval%), Br-:11.4mg, HCO3-:499.1mg, CO3–:29.9mg,
H2SiO3:173.4mg, HBO2:41.2mg,
(平成29年1月19日)
加水あり(源泉の温度が高いため)
消毒あり(塩素系薬剤を使用)
青森県北津軽郡板柳町大字福野田字本泉34-6
0172-72-1500
ホームページ
大浴場7:00分~21:00分
430円
家族風呂9:00分~21:00(受付8:15~19:00。前日より予約可能)
1300円/1時間
ロッカー・ドライヤーあり
シャンプー類なし
私の好み:★★★
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