黒石市 宝温泉 家族風呂

青森県

(2024年12月訪問)
前回記事に引き続き青森県津軽地方に点在する温泉施設の家族風呂を訪ねます。東北道の黒石インター至近にある「宝温泉黒石」では、公衆浴場の他、宿泊や家族風呂の利用も可能です。私が家族風呂を利用するためにこちらを訪ねたのは、一帯が大雪に見舞われた2024年12月某日の日曜日。週末とはいえ大雪の午前中だから予約無しでも空いているだろうと高をくくって午前10時頃に訪ねたところ、8部屋ある個室はなんと全て満室でした。荒天なのに朝っぱら温泉を欲する津軽人の温泉愛には恐れ入ります。

満室の声を受けて落胆しかけた私に、受付のおばちゃんは「101号室がすぐ空くからちょっとだけ待って」と声をかけてくれました。その言葉の通り、間もなくお部屋の清掃が終わって入室することができ、ホッと胸をなでおろしたのでした。
なおこの棟の1階には家族風呂のお部屋が、2階には宿泊用の個室が配置されています。

こちらが101号室「宝」の室内です。中は7畳半ほどの和室になっており、卓袱台と2枚の座布団の他、テレビや冷蔵庫も備え付けられていますので、布団さえ敷けば宿泊できそうな空間です。でも家族風呂は基本的に1時間単位の利用ですから、長居はできません。
なおタオルは持参するか番台で買うかのいずれかで、備え付けはありません。同様にティッシュの他、シャンプー類や石鹸などの浴用消耗品もありませんので、事前の準備が必要です。

室内には洗面台やトイレまで完備。こんな立派なお部屋なのに1時間で退室しなきゃいけないのは勿体ないですね。

さてお風呂に入りましょう。
浴室内部は青森県内のちょっと古めな家族風呂によくある広さと造りで、たとえば拙ブログで取り上げた施設ですと、五所川原の広田温泉や桃太郎温泉(廃業済)などの家族風呂に似ており、入室した瞬間はちょっとした既視感を覚えました。

浴槽は2人サイズのタイル張りで、入室時には既に湯船がお湯で満たされており、縁からお湯が惜しげもなく溢れ出ていました。源泉湧出温度が40℃に満たないため加温されていますが、循環とは無縁でしっかりとかけ流されています。
洗い場には銭湯のような押しバネ式カランとコック式のシャワーが1基ずつ設置されており、水栓から出るお湯は源泉です。

湯口から落とされるお湯はほんの黄色を帯びた透明で、ややミネラル的な味がするものの、明瞭な味や匂いは特に感じられませんでした。この温泉で特筆すべきは炭酸イオンの多さであり、分析表には57.1mgという驚異的な数値が記載されています。湯船に浸かるとこの炭酸イオンの多さが影響していると思しき浴感がはっきりと得られ、ちょっとニュルニュル感を伴う強いツルスベ感を楽しむことができました。
なお筒のような湯口の上は小さな湯枡になっていて、源泉と水道それぞれの蛇口がその湯枡へ注ぐような形になっているのですが、水道の方は止められていたので、お湯はおそらく源泉100%の加水無しかと思われます。

滑らかさを強く感じる浴感、湯加減、そしてお湯そのものの鮮度感、いずれも素晴らしく、大変気持ち良い湯あみを堪能することができました。おすすめです。

村上温泉
アルカリ性単純温泉 38.8℃ pH9.0 湧出量測定不能(動力掘削揚湯) 溶存物質0.346g/kg 成分総計0.346g/kg
Na+:64.6mg(96.90mval%),
Cl-:14.0mg(13.36mval%), HCO3-:18.3mg(10.27mval%), CO3–:57.1mg(65.08mval%),
H2SiO3:176.0mg,
(平成30年10月15日)
加水・循環・消毒なし
加温あり

青森県黒石市大字浅瀬石字村上311-1
0172-53-0474
ホームページ

350円 5:00~22:00
家族風呂1300円/1時間

私の好み:★★★

 

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