北投の街中にある温泉浴場で、温泉街からは離れています。こんな場所で温泉に入れるの?と訝しくなってしまう立地。一見すると雑居ビルみたいで、温泉風情は一切なし。1階は大衆池、つまり共同浴場となっており、90元ぐらいで入れます。水着不要。洗い場と脱衣所が一緒になっている台湾スタイルなので、使い勝手はよくないかと思います。
私は誰にも気兼ねせずに入りたかったので、個人池(個室風呂)を選択。1時間で250元。大衆池の3倍弱ですが、まぁ仕方ないかぁ。番台のおじさんに個人池にしたいと申し出て料金を払うと、おじさんはにっこり微笑んでコインがジャラジャラ入っている缶を持ち出し、私を手招きして、一緒にエレベータで2階へ。
降りると、薄暗いフロアには計15室ほどの個室風呂がズラっと並んでおり、それらのうち一番奥にある1号室へ案内されました。すると、おじさんは缶から50元コインを摘み出して、壁に掛けてあるコイン受付機に5枚投入、1枚ごとに12分ずつ加算表示され、5枚で60分になりました。これでどうぞ、と言わんばかりにおじさんは再びニコっとし、サービスのミネラルウォーターを私に手渡してその場を立ち去りました。なるほどこの機械はコインタイマーなんですね。タイマーは扉の鍵に連動することもなく、単に時間が来たらブザーが鳴るだけ。ユルくて気楽です。
個室内は台湾によくある至って普通な造り。室内には一応窓があるものの、目の前は隣のビルの壁なので、景色は一切楽しめず、ただ湯浴みするだけ。浴槽は石板貼りで2人は入れそうな大きさ。水を出しブラシでゴシゴシ洗ってからお湯を張ります。コックを開くとお湯がドバドバ出てきますが、湯口では61℃もあったので、水で薄めて適温まで下げ、10分もしないでちょうどいい嵩に。
壁にはこのお湯が北投温泉ならではの青磺(酸性緑礬泉)であることを説明するプレートが貼られていました。指につけたお湯をなめてみると、うひゃーぁ、酸っぱい! 強烈な酸味にアルミ箔を齧ったような不快感が口の中に充満します。温泉街の有名な共同浴場「瀧之湯」と同じお湯でした。源泉から離れているのに、しっかり湯温と濃厚さが保たれているのは大したもんです。見た目は若干貝汁濁りを生じていましたがほぼ透明。お湯に浸かると肌にピリピリ沁みてきます。傷口があったらさぞ痛いことでしょう。強酸性泉ならではのヌメヌメ感もはっきり感じられます。一応シャワーが設けられていましたが、残念ながら水しか出ず、濃いお湯なので上がり湯したかったのですが、仕方ないので水浴びで済ませました。湯上りは肌がベトつき、ピリピリ感も残ります。北投のお湯は本当に強烈ですね。わざわざ足を運ぶほどの浴場ではないかもしれませんが、駅から近い上、24時間営業ですから夜中や早朝でも入れるのはありがたい点です。
MRT(台北捷運)淡水線・北投駅から徒歩約10分 地図
台北市北投区中央北路1段12
02-2894-7764
24時間営業
大衆浴場:90元 個人池(個室風呂):250元(1時間)
コインドライヤー10元
私の好み:★★
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