魚野川の堤防沿い、南魚沼市の清掃工場に隣接した公設の温泉浴場。諸般の事情(※)により地元民向けの施設として建設されたために、この浴場の存在は積極的にアピールされておらず、案内看板も立っていなければホームページもないので、事前に存在と場所を知らなければ辿り着くことはないでしょうね。たまたま通りかかったら見つけちゃった、なんてことは殆どありえません。でも、現地へのアプローチもややわかりにくいのですが、清掃工場の高い煙突を目指して行けば大丈夫。魚沼コシヒカリの田んぼの畦道を迷いながらGO!
地元民向けだと聞いていたので、もしかしたら入場を断られるかなと少々怯えながら玄関を入ったら、受付の方は予想に反して笑顔で快く対応してくださいました。入口や館内などあちこちを見回しても地元民専用の施設だとは告示されていなかったので、原則地元専用だが外来者でも来る者拒まずといった姿勢なんでしょうね。そのスタンスにありがたく乗じて入浴させてもらいました。
最近建てられたらしい建物は公設らしくシンプルな平屋ながら、内部は広く清潔感があり、お座敷の休憩スペースも確保されていて、湯上りの老夫婦がのんびり寛いでいました。
脱衣所も共同浴場らしからぬ清潔さで、洗面台が4基もあってビックリ。利用客は地元のご老人ばかりなのに、赤ちゃん台が用意されていることに思わず苦笑。まぁお役所としては建前として各世代に対する男女機会均等を標榜しなくちゃいけないんでしょうから、仕方なく置いているんでしょう(でも本当に赤ちゃん連れのお客さんには有難いかと思いますよ)。
お風呂は内湯ひとつのみ。シャワー付混合栓8基とシャワーのみの水栓1基が、浴槽を囲むようにL字形に配置されています。内湯は大きなガラス窓に面しており、とても明るく開放的です。浴槽中央の縁に設けられた丸い湯口から源泉が投入され、その投入量に見合うだけのお湯が、縁の全面から静かにオーバーフローしています。加温されているものの、加水・循環・消毒などは無し。
無色澄明の綺麗なお湯で、湯口からはたまご臭がほんのり香ってきます(浴室内に漂う程ではなく、湯口に鼻を近づけると確認できる程度です)。弱たまご味にほろ苦さとアルカリ泉によくある微弱な収斂のようなものを感じました。重曹型のアルカリ性単純泉だからか、ツルツルスベスベ肌に優しく気持ちよい浴感。じっくり浸かっていると、弱めながらしっかり泡付きがありました。
密かな存在ながら、設備は整っている上、実に当たりの優しいお湯を味わえる、隠れキャラ的な使い勝手のよい共同浴場だと思います。大挙して押し寄せるのではなく、こっそり「たまたま見つけちゃいました」的な感じで、少人数で訪問するのは吉でしょうね。
(※)清掃工場に隣接していることから推察できる通り、ゴミ処理場をこの地に設けるに当たって近隣住民に補償する目的として作られたのがこの温泉施設なんだそうです。ですので、あくまで地域住民のための施設であるから、外部へのアピールを控えているという事情があるようです。それならこんなブログで紹介してんじゃねぇよ、と自己批判してみたくなりますが、ウィキトラベルでも取り上げられているし、他の温泉ファンサイトでも紹介されているので、まぁ許してください。
アルカリ性単純温泉 39.5℃ 354L/min(自噴) 溶存物質262.0mg/kg 成分総計262.0kg/kg
JR上越線・塩沢駅より徒歩25分(2.1km)
新潟県南魚沼市島新田764-2 地図
025-782-1739
10:00~21:00(受付は20:30まで) 月曜定休(祝日の場合は翌日)
320円
シャンプー・ボディーソープ・貴重品ロッカー(無料)・ドライヤーあり
私の好み:★★★
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