前回・前々回・前々々回と信州・渋温泉の外湯を巡ってきましたが、その拠点にしたのがこの「いかり屋旅館」さんです。目の前は建物が国登録文化財であり「千と千尋の神隠し」の湯屋のモデルになったらしい超有名旅館「金具屋」です。ご覧の通り決して大きな宿ではありませんが、格子戸の美しい純和風旅館でして、創業90年近い歴史を有する老舗です。宿の御主人や女将が実に優しい方で、ホスピタリティが素晴らしく、何よりも嬉しいのがとっても安いところ。
平日限定1泊2食付5980円のプランでお願いしたのですが、通された部屋は、窓からすぐ目の前に「金具屋」を臨む、2階の広くて綺麗な和室。この部屋を一人で使わせてくれるなんて贅沢だこと。
金具屋に泊まっちゃうと、部屋からこんなライトアップを見られません。「いかり屋旅館」に泊まってこそ見られる景色であります。
事前の説明では「料理はちょっと少なめ」とのことでしたが、大食漢の私でも全然満足できるボリュームでした。地のものをふんだんに生かした料理はそれぞれが手作りで盛り付けも美しく、すべてを美味しくいただけました。
さてお風呂です。B1Fに男女別の内湯がひとつずつ。カランはシャワー付き混合栓が2基。
熱い源泉をそのまま浴槽へ投入しており、この時は前客がいなかったためか、浴槽全体が熱湯状態。足すら入れることができなかったので、湯口のお湯をホースで浴槽の外へ捨てながら水で薄め、湯もみ棒をグルグルまわしながら、やっとのことで入ることができました。熱くて入れないじゃねぇかと文句を言うなかれ、源泉に何も手を加えていない証拠なのですから、ありがたく熱い新鮮なお湯を堪能しましょう。
こちらで使われているお湯は外湯の「三番湯・綿の湯」と同じ渋温泉総合源泉でして、ほんのり赤みを帯びた弱い貝汁濁りで、白系半透明の小さな湯の華が舞っています。ちょっと口が収斂する弱い酸味と金気味・石膏味が感じられ、弱いながらも金気臭と石膏臭が漂っていました。トロミのあるお湯で、弱いキシキシ感を有していました。
一人客OK、コストパフォーマンスもホスピタリティも抜群、お料理もおいしく、窓からの眺めも佳、もう文句のつけようがありません。渋温泉で泊まるのでしたら是非お薦めします。
渋温泉総合源泉(比良の湯・薬師の湯及びとんびの湯の混合泉)
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉 57.7℃ pH4.0 溶存物質1159mg/kg 成分総計1204mg/kg
長野県下高井郡山ノ内町大字平穏2197
0269-33-3168
ホームページ
楽天トラベルやじゃらんで予約可能
日帰り入浴9:00~16:00
1000円
シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★
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