湯田中温泉 滝の湯

長野県

 
前回に引き続き、毎月26日(風呂の日)、外来者に開放される湯田中温泉の共同浴場をめぐります。前回記事の「白樺の湯」を出た後は、かえで通りを歩いて温泉街を進み、通りに面して建つ「滝の湯組公会堂」の1階にある共同浴場「滝の湯」へ伺いました。こちらの浴場にも、表側には湯汲み場が設けられています。湯田中温泉の共同浴場には欠かせない設備ですね。

 
「外湯開放中」の幕を確認してからいざ入館。なお「滝の湯」では偶数日が湯払い、つまりお湯を抜いて清掃を行う日となっており、この湯払いが行われる日は、お湯が溜まる午後からの利用となるのですが、外湯開放日である26日は必然的に湯払い日となるため、外来者の利用も当然ながら午後からとなります。出入口は男女別に分かれており、男湯の入口の上には「保寿康」と記された扁額がかかっていました。

 
全体的にコンパクトな「白樺の湯」と異なり、こちらの脱衣室は空間的に余裕があり、複数人が同時利用しても窮屈さを感じることはなさそうです。清掃が終わった後に伺ったので、室内にはゴミひとつ落ちていませんでした。尤も、室内の備品類は必要最低限であり、スノコが敷かれた室内には棚が設置されているだけ…と言いたいところですが、床にはヘルスメーターが1台備え付けられていました。やはり体重の増減は誰しも気になりますもんね。
室内にはマナー喚起の注意書きが掲示されていました。利用者が限定されているお風呂だから、わざわざこのような注意書きなんて要らないように思われるのですが、外湯開放日のように外来者が利用することもあるのでしょうから、こうしたものが用意されているのかもしれません。

 
浴室はいかにも公衆のためのお風呂といった実用的な造りで、床には豆タイルが敷き詰められ、壁面は床から立ち上がり1メートルまではサーモンピンクのタイル張りで、そこから上は白く塗装されたモルタルです。女湯との仕切りには曇りガラスが用いられて明るさの確保や閉塞感の打破が図られていますが、さすがにそれでは影が映ってしまうためか、女湯側には不透過性のフィルムらしきものが貼られていました。
浴室の最奥には一応洗い場があるのですが、カランは水道のみですので、お湯は湯船から汲むことになります。また、備え付けの桶は(私の訪問時には)3つしかなかったので、もしご自分の桶をお持ちでしたら、持参の上で利用なさった方が良いかもしれません。

 
逆サイド(奥側)から浴室を捉えてみました。奥行きの長い構造であることがおわかり頂けるかと思います。浴槽は目測で1.5m弱×2.5m、おおよそ3~4人サイズ。縁は黒御影石で槽内はスカイブルーのタイル張り。明瞭としたコントラストにより、お湯の清らかさが際立っているように見えます。

 

浴槽縁の上にある出っ張りから塩ビ管がちょこんと突き出ており、そこからアツアツの湯が注がれていました。湯口から出るお湯に温度計を差し込んでみますと54.8℃という高温であり、全量を注ぐと湯船が熱すぎちゃうので、配管の途中に組み込まれた分岐管で半量近いお湯を排水口へ逃がしていました。もったいない気もしますが、温度調整のためには仕方ありません。


張ったばかりの湯船のお湯は49.6℃。熱い湯船に入り慣れているつもりの私でも、さすがにこの温度じゃ入れませんから・・・


湯口に木の栓をし、加水をしてお湯を薄めてから湯浴みさせていただきました。
こちらに引かれているお湯は、前回記事の「白樺の湯」と同じく「共益会12号ボーリング源泉」で、無色透明のお湯から得られる特徴は「白樺の湯」とほぼ同じく、微塩味と弱い芒硝のような風味が感じられたのですが、それに加えて砂消しゴムを連想させるような味と匂いがほのかながらも確認でき、「白樺の湯」では確認できなかった硫黄感を、張り替えたばかりの新鮮なお湯では辛うじて感じ取ることができました。湯中では浮遊物が全く無く、実にクリアに透き通っていました。湯田中のお湯って、フレッシュな状態だとこんなに澄んでいるのか…。同じ源泉のお湯を引いていても、お風呂やコンディションによって、見せてくれる姿は相当違うのですね。湯田中の湯を見直すきっかけを与えてくれた素敵なお風呂でした。

共益会12号ボーリング
ナトリウム-塩化物温泉 96.2℃ pH8.2 100L/min(掘削自噴) 溶存物質1.986g/lg 成分総計1.986g/kg
Na+:453.4mg(77.07mval%), Ca++:74.6mg(14.55mval%),
Cl-:741.8mg(79.63mval%), Br-:3.6mg, I-:1.0mg, HS-:1.1mg, S2O3–:0.7mg, SO4–:200.6mg(15.89mval%), HCO3-:40.5mg,
H2SiO3:263.3mg, HBO2:115.4mg,
加水あり(源泉温度が高いため)

長野電鉄・湯田中駅より徒歩3分(約250m)
長野県下高井郡山ノ内町平穏3201  地図
毎月26日の9:00~15:00のみ外来者利用可能(「外湯開放中」の幕が下がっている時間のみ)
外湯開放時は無料で利用可能
備品類なし

私の好み:★★

コメント

  1. 古賀 より:

    Unknown
    急に温泉にはまり、勝手に激しく参考にさせてもらっています。今日(5/26)勇んで湯田中に行ったら、「滝の湯」と「鷲の湯」しか開放されてませんでした。「大湯」は「よろづや」のフロントに言って開けてもらいました(忘れてたっぽい)。町の観光課(事前に8ヶ所の外湯中「脚気の湯」以外は開放との説明を受けていた)に文句の電話したら、連絡取ってくれて「白樺の湯」と「弥勒の湯」は開けますとのこと。「綿の湯」と「千代の湯」は担当者不在とか。「栄楽」でソースかつ重食べてから「楓の湯」で借りた電動アシスト自転車で行ったけど両方とも50度超えで、なんとか白樺は入ったけど、まぁ地元の人にとって「外湯開放」とか何のメリットもないですもんね。ごく一部のマニアが文句言うだけで。いい勉強になりました。しょうがないから角間行って来ました。

  2. 古賀 より:

    Unknown
    急に温泉にはまり、勝手に激しく参考にさせてもらっています。今日(5/26)勇んで湯田中に行ったら、「滝の湯」と「鷲の湯」しか開放されてませんでした。「大湯」は「よろづや」のフロントに言って開けてもらいました(忘れてたっぽい)。町の観光課(事前に8ヶ所の外湯中「脚気の湯」以外は開放との説明を受けていた)に文句の電話したら、連絡取ってくれて「白樺の湯」と「弥勒の湯」は開けますとのこと。「綿の湯」と「千代の湯」は担当者不在とか。「栄楽」でソースかつ重食べてから「楓の湯」で借りた電動アシスト自転車で行ったけど両方とも50度超えで、なんとか白樺は入ったけど、まぁ地元の人にとって「外湯開放」とか何のメリットもないですもんね。ごく一部のマニアが文句言うだけで。いい勉強になりました。しょうがないから角間行って来ました。

  3. 古賀 より:

    Unknown
    急に温泉にはまり、勝手に激しく参考にさせてもらっています。今日(5/26)勇んで湯田中に行ったら、「滝の湯」と「鷲の湯」しか開放されてませんでした。「大湯」は「よろづや」のフロントに言って開けてもらいました(忘れてたっぽい)。町の観光課(事前に8ヶ所の外湯中「脚気の湯」以外は開放との説明を受けていた)に文句の電話したら、連絡取ってくれて「白樺の湯」と「弥勒の湯」は開けますとのこと。「綿の湯」と「千代の湯」は担当者不在とか。「栄楽」でソースかつ重食べてから「楓の湯」で借りた電動アシスト自転車で行ったけど両方とも50度超えで、なんとか白樺は入ったけど、まぁ地元の人にとって「外湯開放」とか何のメリットもないですもんね。ごく一部のマニアが文句言うだけで。いい勉強になりました。しょうがないから角間行って来ました。

  4. K-I より:

    Unknown
    古賀さん、こんばんは。
    湯田中で湯巡りなさった当日にコメントをお寄せくださりありがとうございます。また、拙ブログが古賀さんの湯めぐりに微力ながらもお役に立てているようで、大変嬉しく思っております。
    今月の外湯開放で予め開いていたのは2湯だけだったんですね。その後お問い合わせの上でいくつか開放されたとのことですが、たしかに私が行った時、観光案内所で開放されている外湯を伺ったところ、あまり積極的な返答はなされなかったように憶えています。おっしゃるように、地元の方にとって、直接的なメリットはあまり無いのでしょうし、むしろ開放を繰り返すうち、徐々にデメリットが目立ってくるようになったのかもしれませんね。以前と比べて外湯を管理する人自体が減っているのも理由のひとつかもしれません。
    湯田中エリアは他にも立ち寄りたくなる温泉が密集しているので、自転車があるのでしたら、効率的に湯めぐりができますよね。角間も良いところですね。
    いろいろと情報を教えてくださりありがとうございました。

  5. K-I より:

    Unknown
    古賀さん、こんばんは。
    湯田中で湯巡りなさった当日にコメントをお寄せくださりありがとうございます。また、拙ブログが古賀さんの湯めぐりに微力ながらもお役に立てているようで、大変嬉しく思っております。
    今月の外湯開放で予め開いていたのは2湯だけだったんですね。その後お問い合わせの上でいくつか開放されたとのことですが、たしかに私が行った時、観光案内所で開放されている外湯を伺ったところ、あまり積極的な返答はなされなかったように憶えています。おっしゃるように、地元の方にとって、直接的なメリットはあまり無いのでしょうし、むしろ開放を繰り返すうち、徐々にデメリットが目立ってくるようになったのかもしれませんね。以前と比べて外湯を管理する人自体が減っているのも理由のひとつかもしれません。
    湯田中エリアは他にも立ち寄りたくなる温泉が密集しているので、自転車があるのでしたら、効率的に湯めぐりができますよね。角間も良いところですね。
    いろいろと情報を教えてくださりありがとうございました。

  6. K-I より:

    Unknown
    古賀さん、こんばんは。
    湯田中で湯巡りなさった当日にコメントをお寄せくださりありがとうございます。また、拙ブログが古賀さんの湯めぐりに微力ながらもお役に立てているようで、大変嬉しく思っております。
    今月の外湯開放で予め開いていたのは2湯だけだったんですね。その後お問い合わせの上でいくつか開放されたとのことですが、たしかに私が行った時、観光案内所で開放されている外湯を伺ったところ、あまり積極的な返答はなされなかったように憶えています。おっしゃるように、地元の方にとって、直接的なメリットはあまり無いのでしょうし、むしろ開放を繰り返すうち、徐々にデメリットが目立ってくるようになったのかもしれませんね。以前と比べて外湯を管理する人自体が減っているのも理由のひとつかもしれません。
    湯田中エリアは他にも立ち寄りたくなる温泉が密集しているので、自転車があるのでしたら、効率的に湯めぐりができますよね。角間も良いところですね。
    いろいろと情報を教えてくださりありがとうございました。

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