下風呂温泉 かどや旅館

青森県

※残念ながら2019年12月に閉館しました。


下風呂温泉で多く見られる家庭的な小規模旅館です。こちらは新湯系のお湯を引いています。やはり温泉手形「遊めぐり」で入浴させていただきました。

 
昭和から時が止まっているかのような館内。玄関を入って左手へちょっと上がり、廊下を進んでつきあたりでちょっと下がると浴室です。


男女別の内湯がひとつずつ。民宿のようなこじんまりとしたお風呂です。浴室に入った途端、優しく硫黄の香りが鼻をくすぐってきました。窓を開けるとコンクリで固められた小川が流れています。小さなタイルが貼られた台形の浴槽は2~3人サイズ。お湯はグレーを帯びた乳白色に濁っていますが、コロイドの密度が低いのでしょうか、湯面近くでは無色透明にも見え、湯面下20~30cmあたりで急に濁りが強くなっていました。湯中では小さな白い湯の花やコロイド粒子も目立ちます。


湯口にはビロ~ンと伸びたネットを被せて湯の華キャッチャーにしていました。
活火山の硫黄噴気孔で感じられるようなツンとくる硫化水素の刺激臭の他、石膏のような匂いも漂っています。また薄いタマゴスープ味(硫黄のタマゴ味+薄い塩味)に遅れて苦味が舌に残り、更には石膏の味もはっきり感じられました。酸味はあまりありません。
匂いや味で感じた石膏感を裏づけるように、湯口の石にも硫酸塩の白いギザギザとした析出が現れていました。スベスベ浴感の中に引っかかりが混じっているのも硫酸塩のしわざでしょう。下風呂は熱いお湯が多いのですが、こちらは加水しなくても、ちゃんと掻き混ぜれば長湯したくなる絶妙な湯加減になりました。優しい肌触りと明瞭な硫黄感のおかげで、いつまでも浸かっていたくなりました。

ちなみにお風呂へと案内してくれたこちらの宿のお爺ちゃん、「いい湯だよ」と自慢げにここのお湯についていろいろと語ってくれましたが、奥のほうからお孫さんの「お爺ちゃん、ご飯だよ」と呼ぶ声が聞こえると、そそくさとお孫さんの方へと姿を消していきました。なんともアットホームなお宿なのであります。

新湯
含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(硫化水素型) 59.5℃ pH7.2 32.4L/min 成分総計3446.94mg/kg
(昭和39年5月分析の数値)

JR大湊線・下北駅から下北交通バス佐井・大間方面行で下風呂下車(約1時間10分)
青森県下北郡風間浦村大字下風呂字下風呂81  地図
0175-36-2520

温泉手形「遊めぐり」での入浴可能時間 7:00~21:00
現金での入浴は直接問い合わせされたし
シャンプー・石鹸あり、ドライヤーなし、貴重品は帳場預かり

私の好み:★★★

コメント

  1. はじめっち&みならいかのん&ゆたか&つるみん より:

    いやここさぜっぴんだったのだ!
    10年くらい前に泊まったことがありました。
    函館から大間のFに乗船する際予約したのですが、
    「2食付きで8000円だけど、アワビがつくと12000円で
    お得ですよ!」と言われ、それでOKしました。
    出てきた夕食を見て、すぐ後悔しました。
    これ、質・量ともハンパでないんですわ。
    そんじょそこらの高級旅館が足元にも及ばないんですわ。
    さしみ、こもちはだはだ、なべ、食ったこともない郷土料理・・・+あわび!
    酒もちこんどきゃよかった…あわび、いらんかった(うまかったけど)
    でも出されたものはすべて食う主義なので、
    おいしくいただいて、風呂入ったら今度は逆に寝れなくなって、
    一晩で5~6回入浴しました。
    ぜひ、ご宿泊を推奨します。
    ・・・ありえないディナーをいただきましたはじめっち

    ここに貼ってあったポスターがものすごく印象的で、
    ほおっかむりの老人が荒れ狂う?冬の海で
    櫓漕ぎ船を押し出しながら、云う文句を吐くのっす!
    「よぐきたな、ちょっとまっとけ、うまいもんもってくっから」(うろおぼえ)って
    さながら、冷蔵庫に食い物を取りにいくが如くす。
    それが三八上北の「もてなし」なんだと。
    これじゃあ、食いもん粗末にできないす。
    ・・・旅館は「はこ」できめるんじゃないのすゆたか

    暖房は控えめだったですが、その分風呂に入れば、
    刺激はそれほどでもないのに、全く湯冷めせずぽかぽかでした。
    貴ブログの通り、ここの爺さんが確かに
    「ここは湯が自慢なんだよ」とおっしゃっていた通りでした。
    孫さ膝の上にのっけて、めんこめんこしていました。
    ・・・いや温泉だけでねぇんだけどみならいかのん

    あたいはむずかしいことはよくわかんねぇのすけども、
    朝食もこれまたありえないことで、
    これ、夕食のメニューでないんかと問いただしてみたら、
    「もう一つ膳がありますので、先食っといてください。」
    と、おかみさんがのたまうではないかなのだ。
    特に鶏卵とイカの塩辛を混ぜて火でぐっつぐっつ煮たのが全く考えられない食いもんで、
    酒のつまみかと思ったら、それだけで中ぐらいのお櫃のコメが消えてしまううまさだったのだ。
    完食した後、最後に「うまかったけど、もう食えないのす」と降参したら、
    「あらまお客さん、2食とも平らげる方々はあまりいらっしゃいません。」とびっくりしてたのだ。
    三八上北ではこれが当たり前らしいのだ。
    ・・・なんかはじかすうことしてしまったのだつるみん

  2. K-I より:

    Unknown
    頂戴したコメントだけでも、お食事でどれだけの量が出されたのか伝わってきました。まさに竜宮城並みの歓待といったところでしょうか。高級なお宿は気取っちゃう反面、下風呂のような温泉地の宿は、繊細ではないかもしれませんが、家庭的で温かくて、そして地のものをふんだんにいただけますよね。
    私も(こちらのお宿ではありませんが)下風呂でいただいた夕食の美味しさは、一生忘れることができません。

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