※「千湯館」は本年(2011年)4月23日にリニューアルオープンしていますが、今回の記事ではそのひと月前の状況を紹介しており、現在の状況とは若干異なるかと思います。ご了承ください。
伊予鉄の横河原線沿線には温泉浴場がいくつか点在しており、電車に乗って湯巡りすることだって可能です。今回はその中でも源泉かけ流しのお湯が楽しめる星乃岡温泉・千湯館へ行ってみることにしました。
松山市駅から伊予鉄の郊外電車に乗車。やってきた電車はかつて井の頭線を走っていた3000系です。毎日通勤で井の頭線に乗っている私のとっては、めちゃくちゃ親近感のある車両。こんなところで再会できるとは思わなかったよ!
京王から伊予鉄へ譲渡されるに際しては、下回りが界磁チョッパからVVVFインバータへ変更されており、気づきにくい部分で大改造されているのですが、車内はLEDの案内表示が取り付けられている他はほとんど昔のまま。懐かしいなぁ。
福音寺駅で下車。単線で1面1線ホームのローカル駅ですが、ちゃんと駅員さんが常駐していました。駅を出たら南へ向かって歩きます。交通量の多い国道11号を越えて更に南へ。
星乃岡温泉は3つの施設から構成されており、駅から歩いてくるとまず目に入るのが「星乃岡温泉大浴場」。こちらでも源泉のお湯を使用していますが、あいにく循環されているため、今回はパス。なお24時間営業家族風呂の「スパ星乃岡」も隣接しています。
さらに進むと目指す「千湯館」が左手に見えてきました。外見は地味ですが…
館内はなかなかシック。落ち着いた色調の内装によって統一されています。
岩盤浴の利用できますが、今回は温泉入浴だけにしました。
受付でレンタルタオル(料金に含まれている)を受け取り、脱衣所へ。
広くて清潔感のある脱衣所は使い勝手が良くて好印象。
内湯の様子。大浴槽の他、渦巻き風呂・打たせ湯・ジェットバスなど、スーパー銭湯並みのバラエティに富んだラインナップとなっています。各浴槽とも源泉が使用されていますが、加温の上、循環濾過消毒という徹底ぶりで、たしかにお湯からはカルキ臭が強く感じられました。
面白いのがカランでして、一般的なシャワー&スパウトの他、水栓の上部に横長の金具が取り付けられており、その横のレバーを回すと自分の顔を目がけてお湯が噴射されるのです。つまり顔シャワーなんですね。他ではあまり見かけない珍しいものですが、顔を洗うにはなかなか便利ですよ。こんなカランが洗い場に12基設置されていました。
露天エリアには、中央に据えられた岩風呂風の主浴槽の他に、歩行浴槽、源泉浴槽、そしてサウナが設けられています。浴槽には四阿風の屋根がかけられているので、雨天でも大丈夫。尤も、露天から景色や眺望を楽しめるような場所はありません。
主浴槽と歩行浴槽のお湯は内湯同様、加温・循環・濾過・消毒です。訪問時、歩行浴槽は大人気で、お客さんのほとんどがこの歩行浴槽に入っていました。
源泉風呂。今回はこれに入りたいがためにここへやってきたと言っても過言じゃありません。この浴槽だけ、加温循環濾過消毒など一切無しのお湯が堪能できます。湯口では38℃くらいですが、浴槽では外気に冷やされて36℃近くまで下がっており、けっこうぬるめです。このためこの浴槽に入る人は皆さん長湯。しかも浴槽が浅いために、湯船の中で寝そべるか、あるいは座湯として入るかのいずれかのスタイルを選択することになります。でもじっくり浸かっていれば、やがて全身が温まってくるのが面白いですね。
地下1000mから汲み上げられたお湯は無色澄明、あまり強くないもののタマゴ臭&味がはっきり感じられ、高いアルカリ泉ならではの微かな収斂みたいな感触も得られました。源泉風呂にじっくり浸かっていると、やがて肌に細かな気泡が付着します。
源泉風呂は小さいため、混雑時には希望者待ちが発生するかもしれませんが、これは掛け流しを実現できる湯量に見合った大きさなんでしょうから、仕方ないのかもしれません。
料金がちょっと高めですが、その分落ち着いて湯浴みでき、しかも源泉掛け流しのお湯も堪能できるという点で、四国では貴重な存在ではないかと思います。
星乃岡温泉第3源泉
アルカリ性単純温泉 39.8℃ pH8.9 溶存物質0.5160g/kg 成分総計0.5163g/kg
伊予鉄道横河原線・福音寺駅より徒歩10分(約800m)
愛媛県松山市星岡1-2-16 地図
089-958-6700
ホームページ
7:00~25:00(受付は24:20まで)
750円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり、料金に貸しタオルが含まれます
私の好み:★★
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