大湯温泉 いずみ荘

秋田県


秋田十和田の大湯温泉街ではかなり十和田湖側に寄った大湯大橋の橋詰に位置する施設。国道の橋の袂ですからとってもわかりやすい場所で、駐車場は道路を挟んだ反対側にあります。素泊まりや湯治もできるようですが、実質的には民営の共同浴場のような感じです。

 
玄関を入り、受付のおじさんに料金を支払って中へ。浴室内には石鹸やシャンプーなどの備えつけが無いので、必要ならばここで購入しましょう。
奥の階段を下りた先に浴室があります。大湯温泉はどの施設でも階段を下りた先に浴室があるケースが多いですね。

 
元々は民宿ですから、それ相応のサイズ(つまりそんなに大きくはない)の脱衣所&浴室。
浴槽はタイル貼りで縁は御影石でしょうか、5~6人サイズです。


窓を開けるとすぐ目の前を大湯川が流れていました。流れとの距離があまりに近く、ちょっとでも増水したらこのお風呂は浸水しちゃうんじゃないかと心配になるほど。この日は雨上がり直後だったため、川の水は濁り気味…。


洗い場にはシャワー付き混合栓が4基。外気温との関係もあるかと思いますが、浴室内の換気がいまいちで、湯気がこもってムワっとしていました。窓を開けてもあまり効果なし…。

 
浴槽上の窓側壁面の隅っこにはライオンの湯口がありましたが、現在は使われていないらしく、ライオンさんは何も吐き出さずに空しく口を開けっ放し。ではお湯はどこから供給されるのかといえば、同じく浴槽上壁面の一番手前側に設けられた蛇口から出ていました。源泉の蛇口は析出で白くなっており、なかなかいい感じの貫禄が出ています。なおお湯が出る蛇口は2本あり、一方は激熱、他方はぬるめでした。ぬるい方は加水しているのかも。

お湯は「荒瀬の湯」源泉。無色透明で小さな綿状の黒っぽい湯の華がチラホラ浮遊しています。微塩味、そして湯口で茹で卵の黄身のような味&匂いが僅かに感じられます。ナトリウムイオン405.0g/kg(83.31mval%)、塩化物イオン623.8mg/kg(82.63mval%)という成分構成からもわかるように、典型的な食塩泉であり、弱いツルスベ浴感も得られます。
同じく川沿いで当施設から国道を挟んだ反対側にある足元湧出の公衆浴場「荒瀬の湯」(入湯済ですが混雑していたため未撮影&未レポート)と同じ源泉を使用しているものと思われますが、源泉からある程度離れているからか、浴槽では「荒瀬の湯」みたいな激熱ではなく若干こなれた感じのお湯です。しかしながら、知覚関係は「荒瀬の湯」よりこちらの方がはっきり感じられました。

湯上りに分析表をデジカメで撮っていると、おじさんが「どうぞお掛けになって」と事務所のソファーに座るよう話しかけてきます。せっかくなのでお邪魔させていただいたところ、私が座った途端におじさんの温泉薀蓄トークが炸裂。チャンバラトリオの南方英二に似たおじさんは、いかにここのお湯が健康に良いかを延々と力説するのです。子曰く、ここの源泉は近所のリハビリ病院でも使われているだとか、温泉水を使って作った石鹸はアトピーに効果覿面だとか、とにかく色々。挙句の果てにはチラシを見せ「うちでは岩盤浴マシーンも販売しています。外国で効果は実証されているので間違いありません」「これはネットワークビジネスなんです」と、なにやら怪しげな文言も出てくる始末。会話中はネットワークビジネスという言葉を頻りに強調していたので、どうやら私にも岩盤浴マシーンのビジネスに乗らないかと勧誘していたようなのですが、やんわりとお断りしておきました。おじさんは決して悪気は無いはずで、純粋に健康に良いものだと信じているに違いなく、世の中には「信じるものは救われる」という表現や「プラシーボ効果」という科学的実例もあるので、もうこれ以上私は無駄口を叩かないでおきます。

おじさんのおはなしはともかく、鄙びた雰囲気で気軽に?お湯を楽しめる湯量豊富な大湯温泉らしい施設でした(ちっともフォローになっていませんね…)

荒瀬の湯
ナトリウム-塩化物温泉 60.5℃ pH8.6 溶存物質1447mg/kg 成分総計1447mg/kg

秋田県鹿角市十和田大湯字荒瀬43  地図
0186-37-3162
(おじさんはTwitterのアカウントを持っているらしいです)

6:30~22:00
200円
ドライヤー有料、その他備品類なし(帳場にて販売)

私の好み:★★

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