名湯「新鳩の湯温泉」がクローズして4年が経ちました。秋の某日に偶々目の前を通りかかったので、現状はどうなっているのか、ちょっと探索してみることにしてみました。
新鳩の湯へ行くには吊り橋で玉川の対岸へ渡るのですが、休業した翌年にはその吊り橋が外されちゃったんでしたっけ…。でも川は浅くて流れは緩く、ちょうど良い塩梅で飛び石もあるので、橋が無くても対岸へ渡ることができます。私はゴム長靴を履いたので、川だろうが何ら気にせずジャバジャバ徒渉しました。
対岸の橋詰付近にある「新鳩の湯」の石碑にはブルーシートが巻かれており、碑文を読むことはできません。
玄関が固く閉ざされた本館。4年放置されたままですが、思ったほど荒れていないかも。周囲はススキが茂っていましたが、明らかな踏み跡があり、誰かしら立ち入っているみたいです。
湯屋棟の内部にはまだ暖簾がかかっており、かつての光景が思い起こされます。もちろんお風呂は空っぽ。よく耳を澄ますと、浴室の裏手でドボドボと大量の液体が落ちる音が聞こえてきます。
うぉぉ、すごい!
いまでも塩ビ管から源泉が大量に自噴しているんですね。辺りには湯気が立ち上り、硫化水素臭が漂っています。もったいないことに源泉は使われることなく、そのまま温泉の川となって彼方へと流れていました。この川に入りたい…。
でも湧出温度は58.4℃なので、とても触れたもんじゃありません。目の前の湯溜りも余裕で50℃オーバー、下流の方を辿ってみても、なかなか温度が下がらず、両岸に茂るススキの藪漕ぎも面倒臭いので、目の前や下流方での入浴は断念することに。
熱湯の川の河床には深緑の温泉藻が大量に繁り、流れに身を委ねてユラユラ揺れていました。
一方、お湯が落ちるところからちょっと山側にも、源泉のおこぼれによって形成されたちょっとした湯溜りがあり、人が入るにはちょっと浅いのですが、温度は40℃程度まで下がっていたので、ここなら入浴できそうです。
ということで入っちゃいました。
湧出箇所やその下流と違って、ここには流れがほとんどないため、底に泥が分厚く溜まっており、その上は緑の苔で覆われていました。このため足を踏み入れた途端に泥や苔が一気に舞い上がり、そこへ身を沈めると、全身苔泥まみれ状態に…。デジカメの三脚を持ってこなかったので、アングルもいまいち。全身汚い、カメラの向きもダメ、でもとりあえず入っちゃったので、私はヤケクソになりながらポーズを決めています。
川ができてしまうぐらいに源泉湧出量は豊富なので、加水用のホースを引いたり、スコップを持って来て簡単に作業すれば、いますぐにでも野湯が楽しめそうな状況でした。でもここは国有林ですから、表向きは勝手なことができないのでしょうね。本音を言えば、宿が復活してくれたら御の字なのですが…。
単純硫黄泉 59.1℃ pH8.1 450L/min(自噴) 溶存物質578.1ng/kg 成分総計586.4mg/kg
Na:130.2mg(81.79mval%), Cl:71.1mg(28.84mval%), HS:47.4mg(20.52mval%), SO4:113.2mg(33.86mval%), 遊離H2S:4.3mg
秋田県仙北市田沢湖玉川字古カキ沢国有林11林斑と2小班外
野湯です。
熱い源泉による火傷に注意。衛生面に不安あり。
コメント
Unknown
謹賀新年
おおっ、垂れ流しに浸かったのですね!
ここの廃業は残念でしたね。
成分表を撮ってありましたら、配信をお願いします。
今年もよろしくお願いします。
齊藤
Unknown
齊藤@群馬さん、あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
先ほどメールを送信させていただきました。
「国破れて山河あり」ならぬ「宿倒れて源泉あり」といった状態で、私が訪れた時点ではしっかりと湯浴みできました。つくづく廃業が悔やまれます。
Unknown
この間通ったら建物無くなってましたね。少し山の方に湯気が立ってたので今度探索してみます
Unknown
マック改めたかしさん、こんにちは。
先日の大雨では国道341号線の数カ所で土砂崩れが発生したようですが、川に沿って位置しているこの温泉跡も何らかの被害に遭っていないか(源泉が埋もれていないか)心配です。