赤湯温泉 丹波館 前編(客室など・丹波の湯)

山形県

 
赤湯温泉では、某大手宿泊予約サイトでお手頃な価格を提示していた老舗旅館「丹波館」で一晩お世話になりました。

 
 
老舗旅館らしい古風で重厚感のある木造建築には、白い漆喰壁の蔵がドッキングしているのですが、蔵の1階は食事処として改築されており、私は後述する朝食の際に利用しました。お宿の紹介には「大正ロマン香る」というコピーが書かれているのですが、その言葉の通り、古風な趣きを残しつつもモダンな装いが盛り込まれ、数年前にリニューアルされたらしい館内は、花笠などで飾り付けられたロビーは、懐古的でアットホームな雰囲気です。チェックインの時には北川景子似の美人スタッフさんが対応してくださいました。

 
館内では20前後の若い子達をよく見かけたのですが、それもそのはず、こちらのお宿では自動車教習所も運営しており、合宿免許の生徒さんが宿泊していたのでした。館内には共有スペースが数箇所あり、夜遅い時間でも生徒さん達は教本で懸命にお勉強していました。なお1階のラウンジ(談話室)には自由に使えるパソコンも用意されていました。

 
客室はいくつかの種類から選択できたので、ベッドの方が睡眠しやすい私は洋室を選びました。洋室には「レトロな洋室」と「スタンダードな洋室」の2種類があるのですが、今回通されたお部屋は前者です。傾斜屋根が特徴的なこのツインルームは、和風な外観とは打って変わって、ウッディな洋風ペンションみたいな内装で、一人で使わせてもらうのは勿体無い広さがありました。エアコン・冷蔵庫・テレビ完備。

  
Wifiも飛んでいるので、ドレッサーに持参のパソコンを置いて、旅先にまで持ってきた仕事や、翌日の旅程計画などをこなすことができました。お部屋にはトイレや洗面台も付いており、とにかく綺麗で快適です。

 

今回利用したのは朝食付きのプラン。談話室を抜けた先にある蔵を改造した食事処でいただきます。この日の朝食は西京焼・タマゴ焼き・ゼンマイのきんぴら・湯豆腐・小鉢など。私のような胃腸の弱い日本人向けの、体にやさしい和食中心のメニューでした。

●丹波の湯
 
館内には内湯のみの中浴場「丹波の湯」と露天風呂併設の大浴場「羽衣の湯」という2つの浴場があり、それぞれが離れているため、男女入れ替わりで使い分けています。このため日帰り入浴ですと、どちらか一方しか利用できませんが、深夜0時~5時の休止時間を挟んで男女が入れ替わるので、宿泊すれば両方入れるんですね。なおこの日の男湯は、晩が「丹波の湯」、翌朝が「羽衣の湯」という設定でしたので、その順番に則してまずは「丹波の湯」から見てゆくことにします。
帳場から右斜め前に廊下が伸びており、その先の右手にお風呂の暖簾が掛かっていました。脱衣室はとっても綺麗で、エアコンも設置されているため季節を問わず快適に使えるはず。一般的に浴室の出入口にはタオル生地の足拭きマットが敷かれていますが、こちらのお宿では吸水性の高い珪藻土のバスマットが採用されており、足元がとっても快適でした。


上述のように「丹波の湯」は内湯のみ。壁は木目調の防滴化成品ですが、腰部や床、そして浴槽などには黒い石材が用いられており、黒基調のシックで落ち着いた雰囲気です。戸を開けた途端にふわっと香るタマゴ臭が、温泉気分を高揚させてくれます。

 
室内は大雑把に言えば三角形のような格好をしており、ちょっと歪な形状をした室内空間を有効活用するためなのか、洗い場などは独特のレイアウトです。シャワー付きのカランは5基あり、それぞれがパーテーションで仕切られていますので、他のお客さんとの干渉を気にせず利用できます。なおカランから出てくるお湯は真湯です。片隅には撹拌棒が立てかけられていたのですが、そんなものが必要になるほど、湯船は熱いのでしょうか。

 
石板張りの浴槽は最大幅で5m×2.5mですが、左に向かって窄まっており、台形を横に倒したような形状をしています。湯口から出てくるお湯は50℃以上とかなり熱いのですが、加水することなく温度調整するため、湯量が絞られていました。それでも浴槽の縁から洗い場へお湯が静かにオーバーフローしており、私が湯船に浸かるとザバーっと勢い良く溢れ出てゆきます。槽内に吸引口などは見られないため、掛け流しの湯使いなのでしょう。
湯船のお湯は無色透明ですが、わずかに白く霞んでいるように見えました。前回・前々回の記事で取り上げたお宿と同じく、こちらでも森の山源泉・森の山源泉2号の混合泉を引湯しており、湯口ではあまいタマゴ臭と甘塩味・弱タマゴ味・焦げシブ風味が感じられます。湯量調整の甲斐あって、湯加減は万人受けする42℃前後で、撹拌棒で掻き混ぜなくても楽々入れるコンディションです。温泉は日によって温度が上下しますし、その日の天気や客数などによっても浴槽の状況は変わってきますから、加水しないで湯加減を調整するのは相当なご苦労かとお察しします。薄めない源泉そのままの湯は、トロミがあってしっとりしており、ホコホコ感も強くて湯上がりには汗が止まらず、いつまでも温浴効果が持続しました。

「丹波の湯」はこの内湯一槽のみでしたが、露天風呂のある「羽衣の湯」はどんなお風呂なのでしょうか。わくわく期待しながら翌朝を待ったのでした…。

後編へ続く

コメント

  1. あんちゃん より:

    Unknown
     こんばんは。
     赤湯温泉は未だ全くの未湯です。近いうちに行ってみたいところなのですが。

     ところで、K-I殿は鉄道にも詳しそうなので、お訊ねする次第です。

     青森県の浅虫温泉と大鰐温泉を訪ねようと思っています。新幹線を利用して新青森まで行くつもりです。
     第1日目に浅虫温泉、第2日目に大鰐温泉へ行きたいと思っています。そこで、乗車券は、青森までの往復切符(往復割引適用)を購入する予定なのですが、そうなると第2日目の新青森から大鰐温泉までと、第3日(最終日)の大鰐温泉から新青森までの区間は別途現地で別の切符を購入しないといけないのでしょうか?

     いつも遠方へ行くときは、往復割引の乗車券を利用するのですが、新幹線と在来線が並行する区間で利用して、初日に一番遠方まで行き、次に帰路で途中の温泉へ寄り、そこから帰路上の最寄新幹線駅から帰宅していました。

     青森辺りは、新幹線と在来線が並行していないんですね???

  2. あんちゃん より:

    Unknown
     こんばんは。
     赤湯温泉は未だ全くの未湯です。近いうちに行ってみたいところなのですが。

     ところで、K-I殿は鉄道にも詳しそうなので、お訊ねする次第です。

     青森県の浅虫温泉と大鰐温泉を訪ねようと思っています。新幹線を利用して新青森まで行くつもりです。
     第1日目に浅虫温泉、第2日目に大鰐温泉へ行きたいと思っています。そこで、乗車券は、青森までの往復切符(往復割引適用)を購入する予定なのですが、そうなると第2日目の新青森から大鰐温泉までと、第3日(最終日)の大鰐温泉から新青森までの区間は別途現地で別の切符を購入しないといけないのでしょうか?

     いつも遠方へ行くときは、往復割引の乗車券を利用するのですが、新幹線と在来線が並行する区間で利用して、初日に一番遠方まで行き、次に帰路で途中の温泉へ寄り、そこから帰路上の最寄新幹線駅から帰宅していました。

     青森辺りは、新幹線と在来線が並行していないんですね???

  3. あんちゃん より:

    Unknown
     こんばんは。
     赤湯温泉は未だ全くの未湯です。近いうちに行ってみたいところなのですが。

     ところで、K-I殿は鉄道にも詳しそうなので、お訊ねする次第です。

     青森県の浅虫温泉と大鰐温泉を訪ねようと思っています。新幹線を利用して新青森まで行くつもりです。
     第1日目に浅虫温泉、第2日目に大鰐温泉へ行きたいと思っています。そこで、乗車券は、青森までの往復切符(往復割引適用)を購入する予定なのですが、そうなると第2日目の新青森から大鰐温泉までと、第3日(最終日)の大鰐温泉から新青森までの区間は別途現地で別の切符を購入しないといけないのでしょうか?

     いつも遠方へ行くときは、往復割引の乗車券を利用するのですが、新幹線と在来線が並行する区間で利用して、初日に一番遠方まで行き、次に帰路で途中の温泉へ寄り、そこから帰路上の最寄新幹線駅から帰宅していました。

     青森辺りは、新幹線と在来線が並行していないんですね???

  4. K-I@北アルプスの山奥 より:

    Unknown
    あんちゃんさん、こんばんは。山の中にいたために返信が遅くなりまして申し訳ございません。
    ご質問の件ですが、結論から申し上げますと、おっしゃるように、現地でその都度購入することになるかと思います。
    あるいは、ご出発なさる駅から青森までではなく、大鰐温泉までの往復を購入しても良いのですが、その場合でも、新青森~浅虫温泉の乗車券が別途必要になります。JRと第三セクターをまたがる乗車券になりますが、現地の券売機で買えますし、面倒ならば駅での精算も可能です。
    あんちゃんさんがいつも利用なさる方法は、新幹線と在来線を同一区間として扱うとJRが定めている区間において可能な技でして、東北新幹線では盛岡以南で可能ですが、盛岡以北はご存知のように並行在来線が第三セクターになっていますので、完全なる別線扱いとなっちゃいます(特殊な例もあることはあるのですが、今回のご旅程とはあまり関係ないのでここでは触れません)。
    今回の話から逸れてしまいますが、九州新幹線の新八代以南や、北陸新幹線が関係してくる区間も同じく在来線が第三セクターされていますから、往復きっぷを使いながら在来線で途中下車…という方法が利用できません。
    整備新幹線の開業区間って、在来線が第三セクターとして切り離されちゃうので、いろんな意味で不便になっちゃうんですよね…。

  5. K-I@北アルプスの山奥 より:

    Unknown
    あんちゃんさん、こんばんは。山の中にいたために返信が遅くなりまして申し訳ございません。
    ご質問の件ですが、結論から申し上げますと、おっしゃるように、現地でその都度購入することになるかと思います。
    あるいは、ご出発なさる駅から青森までではなく、大鰐温泉までの往復を購入しても良いのですが、その場合でも、新青森~浅虫温泉の乗車券が別途必要になります。JRと第三セクターをまたがる乗車券になりますが、現地の券売機で買えますし、面倒ならば駅での精算も可能です。
    あんちゃんさんがいつも利用なさる方法は、新幹線と在来線を同一区間として扱うとJRが定めている区間において可能な技でして、東北新幹線では盛岡以南で可能ですが、盛岡以北はご存知のように並行在来線が第三セクターになっていますので、完全なる別線扱いとなっちゃいます(特殊な例もあることはあるのですが、今回のご旅程とはあまり関係ないのでここでは触れません)。
    今回の話から逸れてしまいますが、九州新幹線の新八代以南や、北陸新幹線が関係してくる区間も同じく在来線が第三セクターされていますから、往復きっぷを使いながら在来線で途中下車…という方法が利用できません。
    整備新幹線の開業区間って、在来線が第三セクターとして切り離されちゃうので、いろんな意味で不便になっちゃうんですよね…。

  6. K-I@北アルプスの山奥 より:

    Unknown
    あんちゃんさん、こんばんは。山の中にいたために返信が遅くなりまして申し訳ございません。
    ご質問の件ですが、結論から申し上げますと、おっしゃるように、現地でその都度購入することになるかと思います。
    あるいは、ご出発なさる駅から青森までではなく、大鰐温泉までの往復を購入しても良いのですが、その場合でも、新青森~浅虫温泉の乗車券が別途必要になります。JRと第三セクターをまたがる乗車券になりますが、現地の券売機で買えますし、面倒ならば駅での精算も可能です。
    あんちゃんさんがいつも利用なさる方法は、新幹線と在来線を同一区間として扱うとJRが定めている区間において可能な技でして、東北新幹線では盛岡以南で可能ですが、盛岡以北はご存知のように並行在来線が第三セクターになっていますので、完全なる別線扱いとなっちゃいます(特殊な例もあることはあるのですが、今回のご旅程とはあまり関係ないのでここでは触れません)。
    今回の話から逸れてしまいますが、九州新幹線の新八代以南や、北陸新幹線が関係してくる区間も同じく在来線が第三セクターされていますから、往復きっぷを使いながら在来線で途中下車…という方法が利用できません。
    整備新幹線の開業区間って、在来線が第三セクターとして切り離されちゃうので、いろんな意味で不便になっちゃうんですよね…。

  7. あんちゃん より:

    Unknown
    K-I殿、こんばんは。
    ご丁寧にご回答ありがとうございました。近々青森行の計画を具体化したいと思います。

  8. あんちゃん より:

    Unknown
    K-I殿、こんばんは。
    ご丁寧にご回答ありがとうございました。近々青森行の計画を具体化したいと思います。

  9. あんちゃん より:

    Unknown
    K-I殿、こんばんは。
    ご丁寧にご回答ありがとうございました。近々青森行の計画を具体化したいと思います。

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