引き続き先月(2016年6月)に別府・鉄輪温泉を訪れた時の訪問記をアップさせていただきます。
上画像は別府地獄めぐりのひとつ「かまど地獄」です。私が訪れたのは朝8時半。まだ辺りにひと気はなく、しんと静まり返っており、各地獄前の駐車場にも車一台止まっていません。てっきり地震の影響で観光客の足が遠のいているのかと思ったのですが、冷静に考えれば、地震云々という問題ではなく、朝8時半という早い時間から観光する人なんて、あまりいませんよね。でも各地獄は朝8時から営業していますので、混雑を避けて観光したいのなら、朝の早い時間がおすすめです。
とはいえ、私は地獄めぐりをしたくてこの「かまど地獄」を訪ねたわけではありません。風呂に入りたくてここを訪れたのでした(別府の温泉に詳しい方なら周知のことかと存じますが、いましばらくお付き合いを)。窓口で入場券を購入すると同時に、スタッフの方に「すいません、お風呂入りたいんですけど」と声をかけますと、窓口のお姉さんは二つ返事で了解してくれ、「一番風呂ですよ」と微笑みながら鍵を貸してくださいました。
ゲートを入って左手の奥にひっそりと佇む怪しげなドアが今回の訪問目的地であります。「はいっちょくれ いやしの湯 源泉」と書かれたドアの向こう側には、温泉のお風呂があるんですね。以前は「地獄では珍しい入浴できるお風呂」として知る人ぞ知る存在でしたが、最近では人口に膾炙されて、温泉にちょっと詳しい人ならどなたでも知っている比較的知名度の高いお風呂になりました。受付で貸してもらった鍵でドアを開けます。室内は家庭のお風呂みたいな雰囲気ですが、かなり雑然としており、なぜか大量のタオルが干されたままになっていて、そのほとんどは硬くゴワゴワになっていました。もしかしたら乾ききったタオルの繊維と一緒に何かしらの胞子が飛んでいたかもしれません。ま、予め存在を知っている人しか利用しませんから、多少雑然としていても問題ないのでしょう。なおこちらのお風呂は貸切利用ですので、利用中はドアをしっかり施錠しておきます。
浴室はひとつだけで、モルタル塗りの室内にタイルは貼られており、家庭のお風呂をひと回り大きくしたような造りです。洗い場は隅っこに申し訳程度にスペースが確保されていますが、洗い場唯一のカランは水道のみで、しかも散水ノズル付きのホースが接続されているため、入浴者用ではなく浴槽清掃用と考えるべきでしょう。その一方、室内にはボディーソープやシャンプー類が置かれていますので、ここで体を洗う場合は湯船から桶でお湯を汲むことになるかと思います。
浴槽の窓側には飾り岩が施されて温泉風情を醸し出しており、その岩から配管がバルブ付きの突き出て、温泉のお湯が投入されていました。浴槽は2〜3人サイズで浴槽内は黒いタイル張りです。湯使いは放流式で、浴槽縁に切り欠けからお湯が静々と溢れ出ていました。お湯は後述する3丁目の地獄から引いているらしく、湯船のお湯は青白く濁っており、透明度としては貝汁濁りと同等の濁り方です。お湯をテイスティングしますと、塩味とともにツーンと刺激のあるハロゲン系の匂いが感じられ、湯中では食塩泉らしいツルスベに加えて、ケイ素由来とおぼしき滑らかな肌触りが気持ち良く、入浴中は何度も自分の肌を摩ってしまいました。また投入量を絞って湯温調整されているのですが、その絞る塩梅が絶妙であるため、訪問時はいつまでも入っていたくなるような素晴らしい湯加減になっていました。
壁に張り出されている川柳「源泉に鬼も微笑むかまどの湯」に納得です。ところで、以前こちらのお風呂を入ったことがある方は、当記事の画像にちょっと違和感を覚えるかもしれません。それもそのはず、現在の浴室は白いタイル張りですが、以前は黒いタイル張りで、しかも川柳も現在のようなイラスト付きのプレートではなく、壁のタイルに直書きされていました。細かいことを言えば、川柳の言葉も若干異なっており、いまは下五が「かまどの湯」ですが、以前は「源泉に鬼も微笑む極楽の湯」というように、下五が字余りになっていました。このような小変化はありますが、鬼を微笑ませる極楽の湯に変わりありません。綺麗な瑠璃色のお湯で幸せなひと時を過ごさせていただきました。
●地獄めぐり
せっかく料金を支払って地獄へ入場したのですから、湯上がりに「かまど地獄」を一回り見学することにしました。
まずは一丁目。熱で粘土が溶けて赤茶色になっています。
つづいて、白い蒸気をもうもうと上げている二丁目。
明るいパステルブルーの三丁目は、上述のお風呂へお湯をもたらしています。
茶色い泥をボコボコ噴き上げている四丁目。
五丁目の湯の池はとっても大きく、色合いも綺麗ですね。池畔からシューシューと音を立てて蒸気が噴き上がっていました。
六丁目は一丁目のように粘土が溶け出て柿色の湯泥になっていました。
ということで、鉄輪では見学する地獄はたくさんあっても、入れる地獄は稀なので、もしこちらのお風呂をご存知ない方は、「かまど地獄」へ観光の際にひとっ風呂浴びてみてはいかがでしょうか。
竃地獄
ナトリウム-塩化物温泉 86.4℃ pH7.4 湧出量測定せず(掘削200m自噴) 溶存物質4.016g/kg 成分総計4.022g/kg
Na+1216.4mg(86.47mval%), Ca++:55.7mg,
Cl-:1981.2mg(89.49mval%), Br-:6.0mg, HS-:0.1mg, SO4–:282.0mg(9.40mval%),
H2SiO3:183.0mg, HBO2:85.4mg,
(平成22年9月3日)
大分県別府市大字鉄輪621 地図
0977- 66-0178
ホームページ
8:00〜17:00
400円
私の好み:★★
コメント
Unknown
こんばんわ^^。
何とも華やかな地獄画像が満載ですね!
今さっき、つられて大分の温泉施設を調べていました^^。
偶然にも今日のお昼に竹田温泉の特集がありまして、
かの逢友荘ばりの炭酸泉が紹介されていたんですよ!
何とお湯の温度は32度!!ぬる湯にも程があります(笑)
しかしこの3丁目、五丁目、素晴らしい色合い!!
飛び込んだら死んでしまうのは解っていても、、、
思わずダイブしたくなりますね^^b
年末の旅行、何処に行きましょうかね~^^。
Unknown
こんばんわ^^。
何とも華やかな地獄画像が満載ですね!
今さっき、つられて大分の温泉施設を調べていました^^。
偶然にも今日のお昼に竹田温泉の特集がありまして、
かの逢友荘ばりの炭酸泉が紹介されていたんですよ!
何とお湯の温度は32度!!ぬる湯にも程があります(笑)
しかしこの3丁目、五丁目、素晴らしい色合い!!
飛び込んだら死んでしまうのは解っていても、、、
思わずダイブしたくなりますね^^b
年末の旅行、何処に行きましょうかね~^^。
いずれも、もしご存知でしたら申し訳ありません
ぬる湯マスターさん、こんにちは。
別府に数ある地獄の中でも、ここはそのお湯に入浴できるところがユニークですね。別府ですと、いちのいで会館という料理屋に付帯している露天風呂が、この地獄のような美しい色合いをしていて、眺めも良く、飛び込むどころが、じっとそこから動きたくなくなるほど素晴らしいです。
竹田でアワアワで32℃といったら、長湯温泉のラムネ温泉ではないでしょうか。拙ブログでは紹介しておりませんが、あそこは施設としても小洒落ており、アワアワのぬる湯は長湯必至です。でも、長湯温泉の先にある七里田温泉「下ん湯」は日本で一番か二番かと思われるほど、激しい泡つきのぬるい炭酸泉ですから、おそらくぬる湯マスターさんでしたら、感激のあまり、卒倒してしまうかもしれません(笑)
いずれも、既にご存知でしたら、無礼をお許しください。
いずれも、もしご存知でしたら申し訳ありません
ぬる湯マスターさん、こんにちは。
別府に数ある地獄の中でも、ここはそのお湯に入浴できるところがユニークですね。別府ですと、いちのいで会館という料理屋に付帯している露天風呂が、この地獄のような美しい色合いをしていて、眺めも良く、飛び込むどころが、じっとそこから動きたくなくなるほど素晴らしいです。
竹田でアワアワで32℃といったら、長湯温泉のラムネ温泉ではないでしょうか。拙ブログでは紹介しておりませんが、あそこは施設としても小洒落ており、アワアワのぬる湯は長湯必至です。でも、長湯温泉の先にある七里田温泉「下ん湯」は日本で一番か二番かと思われるほど、激しい泡つきのぬるい炭酸泉ですから、おそらくぬる湯マスターさんでしたら、感激のあまり、卒倒してしまうかもしれません(笑)
いずれも、既にご存知でしたら、無礼をお許しください。
Unknown
再びこんばんわ^^。
なんと!やはりご存知でしたか^^!
そう、そのラムネ温泉と言う名前でしたね。
口に含むと、本当に微炭酸飲料の様みたいですね。
逢友荘では、湯船の端っこで90分寝ていたり、
ぬる湯の中に住んでしまおうかと考えておりました(笑)
「いちのいで会館」、これもチェックが必要ですね。
無礼などととんでもない!大変感謝しております。
このブログに侵入した事は、大変有意義でした^^。
是非、ぬる湯地獄を堪能したいものですね^^b
追伸
昨夜はコメントを連投してスミマセンでした(><)
Unknown
再びこんばんわ^^。
なんと!やはりご存知でしたか^^!
そう、そのラムネ温泉と言う名前でしたね。
口に含むと、本当に微炭酸飲料の様みたいですね。
逢友荘では、湯船の端っこで90分寝ていたり、
ぬる湯の中に住んでしまおうかと考えておりました(笑)
「いちのいで会館」、これもチェックが必要ですね。
無礼などととんでもない!大変感謝しております。
このブログに侵入した事は、大変有意義でした^^。
是非、ぬる湯地獄を堪能したいものですね^^b
追伸
昨夜はコメントを連投してスミマセンでした(><)
Unknown
>ぬる湯マスターさん
長湯温泉には多くの宿や浴場があって、それぞれが自家源泉なのですが、ほとんどが黄土色に濁る重炭酸土類泉系で、アワアワなのは確かここだけだったような気がします。
私も大分県、特に別府に関しては青二才なので、大したことは申し上げられませんが、行けば行くほど深みにはまる日本一の温泉県ですね。ここ数年はLCCが就航するようになり、かなり行きやすくなりましたね。
Unknown
>ぬる湯マスターさん
長湯温泉には多くの宿や浴場があって、それぞれが自家源泉なのですが、ほとんどが黄土色に濁る重炭酸土類泉系で、アワアワなのは確かここだけだったような気がします。
私も大分県、特に別府に関しては青二才なので、大したことは申し上げられませんが、行けば行くほど深みにはまる日本一の温泉県ですね。ここ数年はLCCが就航するようになり、かなり行きやすくなりましたね。
入れる地獄
ご無沙汰しております。
過去ログを遡って、別府の地獄の記事を拝読しましたので今更ですがコメントさせていただきます。
別府で入れる地獄ですが、地獄めぐりの園内にあるのは確かにかまど地獄だけですね。入ったことはありませんが存在は存じております。
ただあれだけ大規模な源泉なわけですから、引き湯を含めれば入れる湯が他にも結構あります。
・鬼石坊主地獄→鬼石の湯
・鬼山地獄→おにやまホテル他
・龍巻地獄→長泉寺薬師湯
あと足湯だったら血の池地獄にもありますね。色は薄いですけど。
いずれも距離的に近いですけど、それぞれ泉質が違うのが別府らしくて面白いです。特に長泉寺薬師湯は鉄輪の湯とはだいぶ違います。
地獄めぐりコースに入ってないところなら
・坊主地獄→鉱泥温泉(泥湯)
もそう。午前中しか入れないのでハードルが高く、これも自分は入ったこと無いですが。
他にも別府はいくつも地獄があるので、源泉が「地獄」なところはいくつもあると思います。例えば別府保養ランドの「紺屋地獄」とか。
入れる地獄
ご無沙汰しております。
過去ログを遡って、別府の地獄の記事を拝読しましたので今更ですがコメントさせていただきます。
別府で入れる地獄ですが、地獄めぐりの園内にあるのは確かにかまど地獄だけですね。入ったことはありませんが存在は存じております。
ただあれだけ大規模な源泉なわけですから、引き湯を含めれば入れる湯が他にも結構あります。
・鬼石坊主地獄→鬼石の湯
・鬼山地獄→おにやまホテル他
・龍巻地獄→長泉寺薬師湯
あと足湯だったら血の池地獄にもありますね。色は薄いですけど。
いずれも距離的に近いですけど、それぞれ泉質が違うのが別府らしくて面白いです。特に長泉寺薬師湯は鉄輪の湯とはだいぶ違います。
地獄めぐりコースに入ってないところなら
・坊主地獄→鉱泥温泉(泥湯)
もそう。午前中しか入れないのでハードルが高く、これも自分は入ったこと無いですが。
他にも別府はいくつも地獄があるので、源泉が「地獄」なところはいくつもあると思います。例えば別府保養ランドの「紺屋地獄」とか。
Unknown
彼方さん、こんにちは。
入れる地獄一覧、ありがとうございます。
対照やその特徴など、とってもわかりやすいです(^^) 地獄めぐりは、単に目で観るのみならず、せっかくですから入浴したいですよね。今年はまだ別府に行っていないので、早くまた出かけて、地獄の恵みを受けたいものです。
とはいえ、私の日頃の行いに対しては、閻魔様が目を光らせているでしょうから、将来的には否応なく地獄の釜へぶちこまれてしまうかもしれません。気を付けなければ・・・。
Unknown
彼方さん、こんにちは。
入れる地獄一覧、ありがとうございます。
対照やその特徴など、とってもわかりやすいです(^^) 地獄めぐりは、単に目で観るのみならず、せっかくですから入浴したいですよね。今年はまだ別府に行っていないので、早くまた出かけて、地獄の恵みを受けたいものです。
とはいえ、私の日頃の行いに対しては、閻魔様が目を光らせているでしょうから、将来的には否応なく地獄の釜へぶちこまれてしまうかもしれません。気を付けなければ・・・。