引き続き別府の温泉を取り上げます。今回は温泉ファンにおなじみの野趣溢れる露天風呂を目指します。
前回取り上げた鉄輪の地獄から鶴見岳の麓を登って明礬温泉方向へ走り、途中から国道を逸れて細い坂道をグングン登って行くと、やがて上画像のようなどん詰まりに行き当たります。画像で写っているようにこの場所は行き止まりの回転場所なので、ここからちょっと離れた路肩に車を止め、そこから歩いて目的地へと向かうことにしました。歩道入口には身の安全注意を促す看板や監視カメラが取り付けられていますが、これは付近の野湯で発生した某事件を受けて設けられたのでしょう。
歩道を歩き始めるとすぐ、奥の方に小屋が見えてきます。この日は素晴らしい天気に恵まれ、空の青と山の緑が美しく映えていました。最高の露天風呂日和です。
目的地の「鶴の湯」に到着です。山の中にある野ざらしの露天風呂ですが、無料なのにきちんと管理されており、立派な小屋まで建っています。しかも小屋には着替えルームまであるんですから素晴らしいではありませんか。
露天風呂のまわりにはミヤマキリシマ(ツツジ)など季節の花々が可憐に咲いていました。この花々の下に自噴源泉があり、そこで湧いた温泉は細い水路を流れて小屋前の湯船へ注いでいます。
湯船は流れを隔てる形で2つに分かれていますが、上画像は上流側の浴槽を撮ったものです。ブロックをうまく積み重ねて四角い湯船が作られており、3人くらいは入れそうなサイズがありました。湧きたてのお湯が入り込んでくるところなので、お湯はちょっと熱めですがフレッシュそのもの。
一方、こちらは足場を挟んだ下流側の浴槽。上流側よりひと回り大きく、湯加減も入りやすい温度まで落ち着いています。でも絶えることなく上流側からお湯が流れ込んできますし、その量も多いので、こちら側のお湯も負けず劣らずの良好な状態です。
下流側浴槽の湯尻には桟橋状の足場があって、ちゃんとした洗い場になっているのが、この野天風呂の素晴らしいところ。ここで掛け湯したり、あるいは体を洗えば、浴槽のお湯を汚さずに済みますよね。実際に鶴の湯の常連さんは、ここで体をしっかり洗ってから入浴しています。
お湯の見た目はうっすら青みを帯びた微白濁で、浴槽内のブロックには湯の花が付着しユラユラしていますが、まだ湧出して間もない新鮮な状態であるため、さほど濁っておらず高い透明度が保たれています。源泉のお湯をテイスティングしてみますと、明礬系の収斂酸味が少々、そして硫黄泉らしい味が感じられ、鼻腔を刺激する硫化水素臭が嗅ぎとれました。上述のように私が入浴した時はちょっと熱めでしたが(体感で43℃前後)、自然のものなのでその時々によって上下するものと思われます。とはいえ、加水も加温もせず湧出して間もない状態なのに入浴に適した温度なのですから、これこそ大地の恵みと言わずして何と表現しましょうか。43℃前後のお湯ですからあまり長湯はできませんが、硫黄の血管拡張効果の影響なのか、一般的な43℃のお風呂よりもはるかによく温まり、気づけばかなり全身ホコホコになり、お湯から上がると皮膚の全てから玉のような汗が大量に噴き出ていました。そして全身にしっかりと硫黄の匂いがこびりつきました。
素晴らしいロケーションに湧く掛け流しの硫黄の湯に無料で入れるのですから、地元を含め数多の人から愛されており、この日も朝から多くの湯浴み客で賑わっていました。市街地からさほど離れていない場所にもかかわらず、こんなブリリアントな野天風呂があるのですから、別府が日本一の温泉都市であることは間違いありません。拙ブログをご覧の方でしたら既にこの「鶴の湯」へ入ったことのある方も多いかと存じますが、改めてこの野天風呂の良さを実感したので、今回取り上げさせていただきました。
温泉分析書なし
大分県別府市明礬(別府市明礬と鶴見の境界付近)
24時間入浴可能
無料
私の好み:★★★
コメント
Unknown
K-Iさん、こんばんは。
精力的に別府を周られたんですね。
わたしが別府で一番好きな湯は鶴の湯です。美しいライトブルーに芳しい硫化水素臭。草原の景色も最高です。
カンカン照りだと逃げ場がないので、わたしはいつも早朝に行きます。地元の人と他愛のない話をするのも楽しみです。こんな素晴らしい湯に簡単にアクセスできる別府の人たちは本当に羨ましいです。
鶴寿泉が閉鎖されるとの情報をどこかで目にしましたが、本当でしょうか。
Unknown
K-Iさん、こんばんは。
精力的に別府を周られたんですね。
わたしが別府で一番好きな湯は鶴の湯です。美しいライトブルーに芳しい硫化水素臭。草原の景色も最高です。
カンカン照りだと逃げ場がないので、わたしはいつも早朝に行きます。地元の人と他愛のない話をするのも楽しみです。こんな素晴らしい湯に簡単にアクセスできる別府の人たちは本当に羨ましいです。
鶴寿泉が閉鎖されるとの情報をどこかで目にしましたが、本当でしょうか。
Unknown
アスペリティさん、こんばんは。
今回の別府を含め、月2回のペースで九州へ出かけていたのですが、さすがに資金が尽きたので、今月はおとなしくするつもりです(笑)。「鶴の湯」は最高ですよね。今回改めて実感しました。私が入ったのは朝9時頃で、まだ常連さんもいらっしゃいましたが、さすがに5月の日射しは強く、この鶴の湯で湯浴みしていたら、しっかり日焼けしちゃいました。
鶴寿泉に関しては別府市の公式サイトにも臨時休業のお知らせが出ていますね。源泉温度が低下してしまったそうですが、果たして回復してくれるかどうか…。
http://www.city.beppu.oita.jp/sisetu/shieionsen/detail14.html
Unknown
アスペリティさん、こんばんは。
今回の別府を含め、月2回のペースで九州へ出かけていたのですが、さすがに資金が尽きたので、今月はおとなしくするつもりです(笑)。「鶴の湯」は最高ですよね。今回改めて実感しました。私が入ったのは朝9時頃で、まだ常連さんもいらっしゃいましたが、さすがに5月の日射しは強く、この鶴の湯で湯浴みしていたら、しっかり日焼けしちゃいました。
鶴寿泉に関しては別府市の公式サイトにも臨時休業のお知らせが出ていますね。源泉温度が低下してしまったそうですが、果たして回復してくれるかどうか…。
http://www.city.beppu.oita.jp/sisetu/shieionsen/detail14.html
Unknown
K-Iさん
こんばんは。
鶴寿泉は泉温低下ですか。わたしは地蔵泉は結局行けずじまいでしたが、同じ状況になってしまったんですね。
地震で湯脈が変わってしまったのか…
周辺の宿はどうなんでしょう。
温泉はやはり生きものですね。
Unknown
K-Iさん
こんばんは。
鶴寿泉は泉温低下ですか。わたしは地蔵泉は結局行けずじまいでしたが、同じ状況になってしまったんですね。
地震で湯脈が変わってしまったのか…
周辺の宿はどうなんでしょう。
温泉はやはり生きものですね。
Unknown
>アスペリティさん
鶴寿泉は地震以前から泉質が変わり始めていたという話もありますので、地震以外にも影響があるのかもしれません。いずれにせよ、温泉が生き物であるというには全く同感です。私は数年前に別府八湯のスタンプ帳を紛失して以来、スタンプ収集を放棄しているのですが、先日参考までに八湯のサイトを見たら、脱退している施設が結構増えているんですね。いろんな意味で、別府の温泉を巡る環境が変わってきているのかもしれません。
Unknown
>アスペリティさん
鶴寿泉は地震以前から泉質が変わり始めていたという話もありますので、地震以外にも影響があるのかもしれません。いずれにせよ、温泉が生き物であるというには全く同感です。私は数年前に別府八湯のスタンプ帳を紛失して以来、スタンプ収集を放棄しているのですが、先日参考までに八湯のサイトを見たら、脱退している施設が結構増えているんですね。いろんな意味で、別府の温泉を巡る環境が変わってきているのかもしれません。