ロングバレーカルデラ温泉群 Crab Cooker Hot Spring

アメリカ

前回記事の“Shepherd Hot Spring“の近くには”Crab Cooker Hot Spring”という別の温泉があるらしいので、歩いてそこまで行ってみることにしました。カニを料理しちゃう温泉なのでしょうか。

 
“Shepherd Hot Spring”の近くで水を湛える小さな湖の畔を、南東に向かって歩いてゆくと・・・


やがて別の路地の突き当たりに行き着きました。前回記事のシェパード温泉同様、ここも突き当たりがロータリー状の駐車スペースになっているので、入ってくる路地さえ間違わなければ、車でも来られます。


駐車スペースから緩やかな斜面を下ってゆくと、やがて前方にコンクリートで固められた構造物が見えてきました。

 
地面に埋められたそのコンクリ構造物に近づくと、足元に熱気が伝わってきます。構造物の真ん中に四角い穴が開いているので中を覗いてみると、穴の下の方でボコボコ&フツフツとお湯が湧出しており、手を伸ばして温度計を突っ込んでみたところ、69.2℃というかなり熱い温泉が湧出していたのでした。なるほど、これだけの高温でしたら、カニはもちろん、いろんな食材をボイルできるかもしれませんね。


高温のお湯が湧くコンクリ構造物、つまり温泉の源泉のそばには、上画像のような小判型の露天風呂が設けられていました。並べた石をモルタルで固めて作ったもので、長径2.5m×短径1.8m、キャパシティは3~4人でしょうか。源泉からパイプでお湯を引いています。ベンチも備え付けられているので、腰を掛けたり荷物を置いたり、なにかと便利です。


雄大な自然の只中にポツンと造られた露天風呂。あまりに開放的であり、周囲の景色も素晴らしい。まるで絵画の世界の溶け込んでしまったかのような、夢のようなロケーションです。

 
浴槽内部はモルタルで固められており、特に苔の発生なども見られず、快適に湯浴みすることができました。源泉からお湯を引いてくる配管にはバルブがついており、これで湯量を調整することが可能。私が訪れた日は曇り空で外気温も低く、その影響で湯船はちょっとぬるかったのですが、バルブを開けることによって最適な湯加減まで上げることができました。とはいえ、上述のように源泉の温度はかなり高いため、バルブを開けっ放しにしてしまうと、この湯船には入れなくなってしまいます。ここではマナーとして、使わない時にはバルブを締めるか開ける量を少なくしておいた方が良いでしょう。

 
到着時の湯船の温度は37.3℃でしたが、上述のようにバルブを開けることにより、数分で40℃以上に上げることができました。なおpH値は7.76ですからほぼ中性ですね。前回取り上げた”Shepherd Hot Spring”のお湯は無色透明でほぼ無味無臭の癖が少ないお湯でしたが、そこからあまり離れていないにもかかわらず、こちらのお湯はやや毛色が異なっているように感じられました。具体的には、見た目に関しては透明ながら若干黄色みがかっており、少々の甘みを伴う石膏感とミシン油のような弱いアブラ臭が得られました。また弱いキシキシとした浴感も伝わってきました。塩化土類泉か重炭酸土類泉系のお湯なのでしょうか。


そんな細かい屁理屈はどうでもいいのです。ここも”clothing optional”つまり水着着用は任意であり、裸で入浴したって構いませんから、私は湯加減調整後にその場で全てを脱ぎ捨て、ザブンと湯船へ飛び込みました。この露天風呂に入った時の感想を余計な言葉で申し上げるのは野暮であり愚の骨頂でもあります。言葉なんて要りません。本当に素晴らしい。雄大な景色に溶け込みながら、いつまでもここで湯浴みしていたい。そう強く願ってしまう、ワンダフルな露天風呂でした。


37.66305, -118.80031

ロサンゼルス水道電力局(LADWP)の管理地であるため、夜間の立ち入りや宿泊(キャンピング等)は不可能。日中の立ち入りは自由。
無料
備品類無し
“Clothing Optional”なので、水着の着用は任意(裸の入浴も可能)

私の好み:★★★

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