ファレス温泉 Fales Hot Springs

アメリカ

 
シエラネバダ山脈の東を南北に貫くUS395号線を、ブリッジポートの街から約15マイルほど北西に進むと、かつてお客さんで賑わったであろう古い温泉施設の廃墟が、通りに面して立っています。とはいえ看板などはないため、予めその場所を知らないと気付かずに通り過ぎてしまうでしょう。

 
この温泉の名前は”Fales Hot Springs”といい、19世紀に開発されて以来、温泉リゾート施設として人々から愛されてきましたが、1952年にガス爆発事故が発生してしまい、いったん閉鎖されてしまいます。その2年後の1954年に改めて施設が建てられたものの、やっぱり廃業に追い込まれ、それ以来放置され廃墟になってしまったようです。現在残っている廃墟は1954年に再開した当時の遺構なんだとか。廃墟とはいえ私有地ですから敷地内に立ち入ることができません。そこで、外側から敷地内を覗いてみますと、明らかに温泉プールの跡と思しき構造物(画像の中で白く写っているもの)が見え、水面から湯気を上げている大きな池がそれに隣接していました。おそらくその池は温泉の源泉なのでしょう。池を成すほどお湯が湧いているということは、湧出量は相当多いのですね。「国破れて山河あり」ならぬ「施設倒れて源泉あり」といったところでしょうか。


敷地の外側をまわって更に奥へ進むと、屋根が崩れ落ちている小屋の下から熱い温泉が流れ、その小屋の裏手から冷たい小川が合流している地点に出くわしました。

 
先ほどの源泉の池から流れ込んできていると思しきお湯が流れに温度計を突っ込んでみますと、53.6℃という高温が計測されました。お湯の量が多いので、できればその場で野湯をしてみたいのですが、さすがにこの温度では入浴なんてできません。


上述のように源泉から湧き出る大量の温泉が、小川の水と合流して一筋の川をなしているため、川水と上手く混じりあう場所を見つければ野湯ができるはず。

 
というわけで、お湯と川水が程よくブレンドされ、且つある程度深さがあるところで川に入ってみました。でも川水の流勢が強いため、温度は27.3℃まで下がってしまい、残念ながらゆっくり湯浴みすることはできませんでした。なおpH値は7.34でしたが、こちらの数値も川水の影響を大きく受けているため、あまり参考にはなりませんね。ここよりちょっとでも上流側へ移ると途端に熱くなり、下流側は完全な冷水になってしまうため、ここ以外に入浴可能な温度の場所を見つけることはできませんでした。もしかしたら、この他にも野湯できる場所があったのかもしれませんが、残念ながら今回は発見できませんでした。
というわけで、野湯マニア以外にはあまりおすすめできない温泉ですが、廃墟を見ながら昔日の賑わいを想像してみるのも一興かもしれません。ネット上の情報によれば、温泉施設として営業が再開されるという噂があるんだとか。もし営業が再開されたら、その時には是非再訪してみたいものです。


GPS:38.351424, -119.399968,

廃墟内は私有地につき立入禁止。
野湯につき施設類なし

私の好み:★+0.5

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