重慶南温泉 南泉公園温泉会所 その1(現地までのアクセス)

中国

今回記事から数回連続で中国・重慶市の温泉を取り上げます。
広大な中国の中部に位置する重慶市は、地理的には麻婆豆腐やパンダで有名な四川省の東部にあたり、重慶という2文字を用いなくとも「渝」の一文字でこの都市を意味するほど、中国では非常に重要な都市のひとつです。重慶市の人口は3000万超、面積は82,400 km²で、その広袤は北海道に匹敵し、国家並みの人口と領域を擁しています。重慶の別称である「巴」と省都である成都の古称「蜀」を合わせた巴蜀という言葉は四川省の別称にもなっていますが、現在重慶市は四川省から切り離されて中国に4つある直轄市の一つになっています(あとの3つは北京・天津・上海)。
さてその重慶市は知られざる温泉の宝庫。山間部のみならず都市部やその近郊にも多くの天然温泉が湧出しており、2012年には国際温泉気候連合(FEMTEC)という組織が重慶に「世界温泉之都」という称号を授与したんだとか(朝日新聞デジタル 2012年10月28日 「重慶に「世界温泉都市」の称号」)。いかにも白髪三千丈のお国柄らしい名称であり、その組織や称号については疑義や異論がある方もいらっしゃるかと思いますが、称号については取りあえず脇に置いておくとして、私は今年(2019年)春にその重慶でいくつかの温泉に入ってきましたので、それらをレポートさせていただきます。

まず私が向かったのは、都心部からモノレールと路線バスを乗り継いで行ける重慶南温泉(以下、南温泉)です。重慶で古い歴史を持つ温泉は市街北部の北温泉ですが、この南温泉も北に次ぐ歴史があり、明あるいは清の時代まで遡ることができるそうです。そして20世紀においても蒋介石・宋美齢夫妻、そして朱徳や鄧小平など、中国近現代史の著名人たちがこの地へ訪れて湯浴みをしたんだそうです。


重慶の都心部から南北の郊外へ伸びる重慶軌道交通3号線(モノレール)に乗って花渓駅で下車。南温泉の最寄駅です。


花渓駅周辺は典型的な郊外の住宅地。マンション群が建ち並ぶ整備された街区はまるで近未来都市のようです。


駅の構内を出て駅コンコースを見上げる場所に降り立ってみました。駅前には南温泉の観光案内看板が立っていますが、歩いていく距離では無いため、駅前から路線バスに乗り継ぎます。上画像は駅の東側ですが、南温泉へ行くには駅の西側(この画像の奥というか向こう側)に回って、「炒油場」というバス停から路線バスに乗車します。なお乗るべきバスの路線番号は169(本数多い)、309、312、314、317、327です。バス停で待っていれば、数分のうちにこれらのいずれかがやってくるかと思いますので、時刻を気にせずいきなり行っても問題ないでしょう。


ちなみに私が乗ったのは309番のバス。バスの車内はこんな感じです。一言で表現すれば観光色ゼロ。ごくごく一般的な地域住民の足であり、観光客らしき人の姿はおろか、車内に温泉にまつわる語句や広告が全く見られないので、本当にこのバスで良いのか、少々不安になってしまいました。
話が前後しますが、重慶のモノレールや地下鉄を利用する場合は、事前に窓口でSUICAのようなICカードを買っておくと非常に便利。乗車駅から花渓駅までの行き来はもちろん、南温泉へ向かう路線バスでも利用できます。


15分ほど乗って「南泉」バス停で下車しました。


南温泉のメインストリート周辺はこのような街並み。平日の午前中だからか、歴史ある温泉地とは思えないほど閑散としていましたが、週末にはそれなりに賑わうようです。


南温泉一帯は風光明媚な公園として整備されています。山の上まで一気に上がれるロープウエイも設置されているんですね。上からの眺望はさぞ素晴らしいのでしょうけど、私は乗りませんでした。


公園内に設置されている観光案内看板には、周辺の簡単な地図の他、温泉の簡単な解説が記されていました。この地図に従い、これから温泉施設へと向かいます。

今回記事では温泉までのアクセス面を書いただけで分量や画像が多くなってしまったので、一旦ここで記事を区切り、本題の温泉については次回記事にてご紹介いたします、

次回記事に続く。

コメント

  1. Lunta より:

    Unknown
    広い中国には当然多くの温泉があるとは理解していましたが、重慶の周辺がそれほど温泉天国とは、不勉強にして全く知りませんでした。
    ずいぶん前に四川省の奥の温泉ホテルに泊まったことがありますが、その時には大プールの水質があまりに悪くてとても入る気にはなれませんでした。
    最近の中国なら少しは進化しているかな。
    K-Iさんの珍しい中国温泉報告、楽しみにお待ちしております。

  2. K-I より:

    Unknown
    Luntaさん、こんばんは。
    重慶に温泉があるとは想像しにくいかと思いますが、以前からある温泉に加え、近年ボーリング工事が次々に行われることにより、市内のあちこちで地下深くから温泉が汲み上げられているんだそうです。今回の旅では意外にも良い温泉に巡り逢えましたので、今後の記事中でご紹介させていただきます。

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