前回記事の続編です。
さて温泉のお風呂に入って旅の疲れを癒しましょう。
お宿のお風呂には大浴場と小浴場の2種類があって、いずれも1階に位置しており、男女で使い分け、日付が変わると暖簾を替えています。私がチェックインした日は小浴場が男湯となっていましたので、まずが小浴場からご紹介します。
(なお大観荘時代には露天風呂もありましたが、現在は使われていないようです)
●小浴場
2階へ上がる階段の袂に暖簾が掛かっています。このお風呂の出入口は存在感が控えめなので、うっかりすると見落とすかもしれません。なお訪問時はコロナ感染対策のため、入口に利用人数をカウントする札があり、入室時に客が自分で札を1枚めくることにより(退室時には1枚戻す)、室内に何人の利用客がいるのか、混雑の目安がわかるようになっていました。でもお風呂上がりで浴場を出る時は、気持ちがすっかり緩んで注意力が散漫になっていますから、ついつい札を戻し忘れてしまい、階段を上りかけたところで「あっ」と気づいて札の数を1つ減らしました。私はまだ途中で気づいたから良かったものの、気づかないままお部屋へ帰っちゃうお客さんもいるんでしょうね。
小浴場というだけあって、脱衣室は決して広くないものの、綺麗に整備されており、混雑さえしていなければ気持ち良く使えます。
「小」とはいうものの、浴室内はまずまずの広さが確保されていて且つ明るく、のびのびとした環境で湯浴みできます。また床などに伊豆青石を多用しており、見た目の美しさのみならず触れた時の感触も優しく、非日常の感覚を享受することができました。
壁に沿ってL字状にシャワー付きカランが7台ならんでいます。洗い場に備え付けのアメニティは質が良そうなものだったので、貧乏性な私はここぞとばかりにたっぷり使ってささやかなセレブ気分を楽しませてもらいました。
浴槽は台形で、その寸法は(目測で)上底1.5m、下底3m、高さ3mといったところでしょうか。算数が得意な小学生ならこの数値を見てすぐに面積を算出しちゃうかな。お風呂の造り自体は少々古いのか、最近多い浅めの浴槽ではなく、私好みの肩までしっかり浸かれる少々深めの入りごたえがある浴槽です。
温泉は壁の上から落とされており、加水した上で掛け流されています。
湯口における湯温は約55℃で、それをちょろちょろ落とすことにより、あまり加水することなく湯加減を調整しているのでしょうね。お湯は浴槽の縁からしっかりオーバーフローしていました。実に気持ち良いお風呂です。
●大浴場
暖簾替え後の翌朝は大浴場へ。
「大」と名乗るだけあって脱衣室が広く(奥に長く)、立派な旅館だった昔日の面影をリニューアル後の今に伝えているようでした。
浴室も脱衣室と同じように奥行が長く、手前側の左右に洗い場が配置され、最奥の窓下に浴槽が設けられています。洗い場に設けられているシャワーは8ヶ所です。なお窓の外には竹が植わっていますが、その向こうは壁なので、景色を楽しむような環境ではないようです。
木材の縁で囲まれた浴槽は(目測で)約2.5m四方。浴槽内部にはツルツルした黒い御影石が採用されており、見た目は美しいのですが、結構滑りやすいので注意を要するでしょう。実際に注意力散漫な私はバランスを崩して滑りそうになってしまいました。
湯口から注がれるお湯は上述の小浴槽と同じお湯で、湯船は心地よい湯加減(41℃くらい)に調整されていました。こちらのお風呂でも湯使いはかけ流しで、浴槽のお湯は縁からしっかりオーバーフローしています。
古奈エリアを含む伊豆長岡温泉では以前から組合による集中管理によって温泉を各施設へ供給しており、こちらの施設でも組合管理のお湯の供給を受けています。湯口から落とされるお湯は無色透明無味無臭で、少々のツルツル感を有し、湯中では肌に優しくしっとり馴染んで心地良いフィーリングを得られます。また湯上がりにはサラサラとしたさっぱり感ももたらしてくれます。とはいえ、分析表によれば炭酸イオンが18.0mgも含まれているはずですが、この数値ほどツルツル感は実感できませんでした。これは伊豆長岡温泉の他の施設で入浴しても同様なので、集中管理の過程で炭酸イオンの持ち味が失われてしまうのかもしれません。でもかけ流しのお湯はさすがに気持ちよく、宿泊中は全身がふやけるほど何度も入ってお湯を楽しませていただきました。
第一貯湯槽
アルカリ性単純温泉 59.6℃ pH9.1 溶存物質0.615g/kg 成分総計0.615g/kg
Na+:162.1mg(88.24mval%), Ca++:17.6mg,
Cl-:120.8mg(40.89mval%), SO4–:193.0mg(48.20mval%), HCO3-:18.6mg, CO3–:18.0mg, OH-:0.2mg,
H2SiO3:76.8mg,
(平成26年12月2日)
静岡県伊豆の国市古奈307
055-948-0055
ホームページ
日帰り入浴12:00~17:00
1000円(フェイスタオル付)
私の好み:★★★
コメント
Unknown
こんにちわ^^。
そしてあけおめであります。一年経つのも早く感じる今日この頃。
奇遇ですが、私も先日、中伊豆大仁の「百笑の湯」に1泊してきました。
中伊豆は、伊豆高原などに比べるとやや地味な印象がありますが、
山並みも美しく、そして良い温泉があるんですよね^^^b
こちらのお湯、一見したところモール泉のように見えましたが、
光の具合でそう見えただけですかな?
無色透明、とありますものね。しかし★3つ、湯温も良さそうです^^。
百笑の湯も、とても良かったです。3月まで毎月予約入れちゃいました。
私の場合は、ゴルフがメインですが(笑)
最後に、今年も宜しくお願いします^^b
Unknown
ぬる湯マスターさん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。中伊豆の温泉は実力派揃いと言いますか、おっしゃるように派手さに欠けるものの、伊豆の山あいらしい環境の良さとお湯の良さが相まって、私も大好きです。
なおこちらのお湯は無色透明無味無臭のアルカリ性単純温泉で、モール泉ではありませんでした(^^)。
大仁の「百笑の湯」も多様な浴槽があって面白いですね。金の鉱山跡から湧出しているお湯だと考えながら湯船に浸かると、ささやかながらお金持ちになったような気がします(なんて…)。