新規書き込みを3ヶ月もしませんでしたが、その間にも温泉巡りは続けており、丁度2ヶ月前に訪問した温泉の数が1000湯目を達成しました。今回はその記念の地となった富山県の祖母谷(ババタニ)温泉について記載します。
宇奈月駅から黒部峡谷鉄道に乗車。トロッコ車両が有名ですが、当日は生憎の天気だったので、ちょっと奮発してちゃんと屋根と窓があるパノラマ車に乗車。客は私一人だけでした。
終点の欅平駅に到着。雨は上がっていましたが、またすぐに降ってきそうな気配。駅からちょっと歩くと目指す祖母谷温泉の案内看板が立っていました。ここから約2.5km、35~40分の距離と書かれています。
まずは奥鐘橋を渡り、人食岩の下をくぐります。観光客は人食岩辺りまでは来ますが、そこから先へ行こうとする人は少ないようです。
駅から徒歩10分で名剣温泉(次回紹介)。ここまでは舗装されていますが、この先は砂利道です。でも車1台通れる幅があるので、勾配さえ気にしなければ結構楽に歩けます。左側の画像は名剣温泉の先に立っている看板で、約2km・30分と書かれています。
なおネット上では「この先はヘルメットが必要」と紹介している場合もありますが、それは砂防工事が行われていた昨年までの話で、現在では不要です。
訪問時は7月の半ばで暑い日でしたが、道から祖母谷川を見下ろすと、川を覆うように雪のトンネルができていました。更に道を登ると目の前に雪渓が残っている場所もあり、そこを通るとひんやり冷たい風が吹き下りてきて、登り続けて火照った体を気持ちよく冷やしてくれました。
途中、こんな感じでトンネルを3本抜けます。1本目と2本目は大したことないのですが、3本目はまっすぐですが長くて暗く、明かりがほぼ無いに等しい状態ですので、足元には注意してください。またここまでひたすら登りですから、私のような日頃運動不足の人にはちょっと足腰に堪えるかも。3本目のトンネルを抜けたらゴールは目の前です。
ちなみに、トンネル及び道の右側に黒いホースが写っているのがわかりますでしょうか。これは祖母谷温泉から名剣温泉や欅平へお湯を引くためのものです。
祖母谷温泉が見えました。鉄橋で対岸に渡って到着です。今にも降りそうな雨を気にして早歩きで来たためか、駅から30分で着いてしまいました。
鉄橋を渡って温泉の間の前まで来ました。すぐ近く(山小屋の上流側)の河原に源泉地帯である祖母谷地獄があるので、お風呂に入りたい気持ちを抑えて、まずはそちらを見学しにいきます。地獄入口にはちゃんと看板も立っています。
黒い引湯ホースが何本も敷かれ、辺りは朦々と湯気が立ち込めています。川原のあちこちから熱湯が湧いて湯の川を形成しており、その温度は熱くて触ったら火傷するほどです。お湯が溜まったり流れているところは、硫化した析出物が黒くなって石に付着しています。
祖母川の河原には、土嚢が積まれてできた湯溜まりが3~4ヶ所ほど作られており、一見すると入浴できそうですが、いずれもお湯が熱すぎるために断念。晴れていれば、そこから流れ出た熱湯と川の水をブレンドさせて川原で野湯が楽しめるようですが、雨上がりで川は濁流と化していたので、こちらも断念…。
黒部で熱湯といえば、ちょっと場所はズレますが、吉村明の『高熱隧道』が有名ですね。穿鑿した先から噴き出た熱湯がどんなものであったか、その様子を連想させてくれる光景です。
地獄の見学を終え、いよいよお風呂へ。扉を開け、中で料金を払います。玄関ではワンコが出迎えてくれました。いわゆる山小屋ですので、アメニティ類は一切期待しちゃダメです。また内湯もあるようですが、入浴のみの客は露天風呂だけのようです。女性はすぐ近くの階段で川原へ降りて女湯へ(画像右)、男性は建物奥手に回って男湯へ。
これが露天風呂(男湯)の様子。川原からちょっと高くなったところに設けられています。
簡素な脱衣所があり、浴槽はコンクリ造。仕切りがあって2つに分かれており、湯口のある広い方はちょうどいい湯加減、排湯側の小さな方はぬるめでした。
目の前に川が流れていますが、お湯に浸かると川は見えません。でも山々の緑に囲まれて、雄大な自然を満喫できます。すばらしい環境です。
先ほど見学した地獄から引湯したお湯がドボドボ投入されています。そのままでは熱いので湯口で水も追加されています。無色透明(澄みきってはいない)、ほろ苦み+たまご味、焦げたような匂い+たまご臭+ゴム臭。白い綿のような湯の花がたくさん舞っており、湯口付近を中心として底にも大量に沈澱しています(画像右)。弱めのツルスベ感あり。加水のおかげか若干ぬるめで、そのためのんびり長湯ができ、じっくりとお湯を堪能することができました。ここまで歩いてきた甲斐がありました。
我が温泉人生1000湯目に相応しいお湯。最高です。
単純硫黄泉 98℃ 900mg/kg
黒部峡谷鉄道・欅平駅から徒歩30~50分(約2.5km)
(登り道なので個人差があります。私は30分ちょうどでした)
富山県黒部市宇奈月町黒部奥山国有林内 地図
0765-62-1038
紹介ページ(黒部峡谷鉄道公式サイト内)
黒部峡谷鉄道公式ページ ←こちらで列車の時刻などを確認してください
10:00~16:00 営業期間:6月19日~11月上旬
500円
ボディーソープあり
私の好み:★★★
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