加投温泉 大埔硫黄泉浴室 (台湾北部・金山)

台湾

(タイトルについて:正式名は「大埔硫磺泉浴室」ですが、なぜかタイトル部分だけ文字化けしてしまうので、磺を黄で代用します)

金山バス停から国道2号(基金公路)を基隆方向へ1キロ程戻ると、国道沿いによく目立つ温泉入浴施設やホテルがずらっと並んで、ちょっとした温泉街を形成しています。基隆からバスに乗ってくれば、金山へ到着する前の通りの両側に、派手目な看板と施設が建ち並ぶ光景を目にすることができるはず。金山は台北県金山郷ですが、この界隈は万里郷。街は金山とひと続きなので、標識を見ない限り、郷の境界を跨いだことに気づかないでしょう。


数ある入浴施設のうち「大埔硫磺泉浴室」に入ってみました。ちなみに隣には共同浴場の「加投公共浴池」(上の画像手前に見える低い建物)があります。

建物というより立体駐車場みたいな外壁が無い鉄骨むき出しの構造で、高い屋根板の下にベンチならべて食堂コーナーにしたり、パーテーションを立てて浴場にしたりと、B級感がプンプン漂ってきます。カラオケBOXを思わせるような個室の扉がずらっとたくさん並んでいますが、訪問時お客さんはほとんどいなかったみたいでした。


料金を支払い、さっそく個室風呂へ案内してもらいました。今回あてがわれた部屋は23番。
通路にはドライヤーが取り付けられていました。

 
ドアを開けると、室内はまるでユニットバスのような造り&大きさになっており、浴槽の手前には便器が設置されていました。狭い空間なのにわざわざ便器を設けなくてもよさそうですが…。壁はコンクリながら腰板や浴槽は木製。まずは水を出して浴槽をゴシゴシ洗い、それからお湯を溜めます。バルブを開けると、たちまち地獄谷のような硫化水素の強い匂いが香ってきます。湯口から出てくるお湯は60℃。そのままでは湯温が熱すぎるので、水で薄めながら、約10分でちょうどよい深さに。


お湯は薄ら白っぽい貝汁濁りで、わずかに白い糸状の浮遊物が見られます。非常に強い酸味で、口に含むとたちまち口腔が収斂し歯がキシキシ。そしてしょっぱさも感じられます。強い酸のため肌がピリピリ、強酸性の温泉にありがちなヌルヌル感もはっきり。塩酸が主成分なんでしょう。同じく塩酸が主体の秋田・玉川温泉ほど濃くないですが、それに近いものがありました。日本には強酸性の温泉を個室で入れるところはあまりないでしょうから(玉川には貸切浴室がありますが)、こういう湯浴みができるのは台湾ならではかもしれません。

外観こそ安っぽいですが、お湯は濃厚な本格派で、しかもかけ流し(と言うかその都度使い捨て)。肌の弱い人だとお湯に負けちゃうかもしれませんが、酸性硫黄泉が好きな方には十分満足できる浴場かと思います。

 
この施設や「加投公共浴池」の裏の沼では、あちこちの底からプクプクとお湯が湧き出ており、湯けむりをあげていました。硫黄臭と排水や生物的な臭いが混じるためか、沼からはゴムっぽい匂いが漂ってきました。湧出量が相当豊富なようです。金山温泉郷、おそるべし。

台北県萬里郷加投路205-5 地図
02-24989936

個人池(個人浴室):150元
混浴・水着着用の大衆池(大浴場)もあるようです
ドライヤーあり(10元、通路に設置)

私の好み:★★

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