(タイトルについて:正式名は「大鵬村硫磺溫泉」ですが、なぜかタイトル部分だけ文字化けしてしまうので、磺を黄で代用します)
加投温泉に沢山ある温泉入浴施設のひとつ。前回の大埔硫磺泉浴室を出てからもう一軒ハシゴしようと辺りをウロウロしていたら、開放的で且つ安そうな店構えが目に入ってきたので、こちらを選んでみました。正面に掲げられた入浴中の女性のイラストがB級感をプンプンに漂わせています。
内部は中央に休憩用のテーブル&イスが置かれ、その両側に個室浴場が左右各15ずつ計30室設けられていました。建物は簡素な造りで、各個室はパーテーションで仕切られているものの、側面上部は壁がなく、外の風や音などが入り放題です。大きな四阿の下に個室を並べたというか、海の家を個室風呂だらけにしたような感じ、というか。
個室風呂は台湾によくある一般的な構造で、幅がおよそ1間くらい、ただ浴槽が据えられているだけの味気ない狭苦しい空間。浴槽は2人サイズで大きめのタイルが貼られています。まずは水を出し、壁に掛かっているデッキブラシで浴槽内をゴシゴシ洗ってから、お湯を溜めます。コックをひねると勢いよくお湯が出てきました。湯口では約62℃もあるため、水で薄めながらお湯を張り、約10分でちょうどよい嵩に。浴槽の栓は塩ビのパイプで、これを排水口に突っ込んで使うのですが、パイプはちょうど浴槽面のちょっと下あたりの高さに面が合うように切られているので、お湯を入れすぎても、パイプの上から排水されてゆき、浴槽からお湯があふれ出ることがありません。湯船から上がっても足元が濡れなくて済みます。
お湯はわずかに黄緑色を帯びた貝汁濁り。ご近所の大埔硫磺泉浴室と同じ塩酸系の強酸性硫黄泉ですが、こちらの方が全体的にもっと濃厚。具体的には、まず酸味が強烈で、口に含もうものなら忽ち口腔が収斂し、歯がキシキシ浮いちゃって、エナメル質が溶けてしまいそう。塩素イオンも多いらしく、強めのしょっぱさも感じられ、実験室で嗅ぐような塩素の匂いがツンと鼻を突いてきます。肌はピリピリし、非常に攻撃的です。ですので肌が弱い人にはちょっとツラいかも。たとえ肌が強くても湯上り後しばらくはピリピリが残っちゃうので、お湯の栓を抜いたら、水で体を流した方が良いかと思います。
日本で塩酸の強酸性温泉といえば秋田の玉川温泉などがありますが、数は少なく、いずれも気軽に行けるような場所ではありません。しかしここ金山では街中至る所で塩酸の濃厚な強酸性温泉に入れるのですから、もう驚きとしか言いようがありません。
ちなみに受付の小姐はとても愛想が良く、中国語がいまいちな私に筆談混じりで色々と金山周辺の観光について教えてくれました。台湾は本当に親切な方が多くて助かります。
金山バス停から徒歩10~15分
台北県萬里郷加投路250-5 地図
02-2498-0779
個人池(1~2人用個室風呂:150元
ドライヤー10元(壁に何台か取り付けられている)
私の好み:★★
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