軽井沢と言っても、信州ではなく秋田県大館市にある軽井沢温泉です。あれ?このフレーズ、前回も使った気が…。この辺りは長野県東信を連想させる地名が散見されて面白いですね。
大滝温泉の川向うに位置しており、訪問時は近所のご老人で大混雑していました。大滝温泉には日帰り入浴施設の「湯夢湯夢の湯」がありますが、地域に根差した共同浴場としては機能しておらず、地元の方は専ら米代川を渡ったこの軽井沢温泉へと集まってくるようです。大滝温泉って一応それなりの規模の温泉街ですけど、地元専用の共同浴場は無いのかしら。
集落の中にある古い浴場にしては駐車場が広く、20台は停まれるスペースが確保されています。それでも訪問時は最混雑時間帯だったため満車に近い状態でした。玄関入ってすぐの受付カウンターに置かれている小さな券売機で料金を支払います。受付奥にある休憩室は古びたソファーが置かれ、少々狭め。湯上がりのお婆ちゃんがそこにちょこんと座り、アイスを美味しそうに食べていました。
脱衣所はごく普通のシンプルなレイアウトです。古めの建物の割にはよく手入れされており、気持ちよく使えました。
男湯の場合、浴室入って左側と正面奥へΓ字形に押しバネ式カラン(シャワー無し)が11組並び、右側の窓下に長方形の浴槽が据えられています。浴槽は2分割されており、手前側が大きく7~8人サイズで、湯加減は43℃に設定。一方、奥側は2人入るのが精いっぱいの小さなものですが、湯船に張られているお湯は激熱で、表示には46℃と記されていますが、実感としてはもっと熱いように思われ、熱いお湯に入り慣れている私でも入れませんでした(常連の爺さんは澄ました顔して熱湯に入っちゃうから凄いよなぁ)。かといって手前側も43℃とは思えないほど熱く、どっちにせよ、ゆったり入れるような温度ではありませんでした。
手前側の湯船に塩ビの湯口が突き出ていますが、そこからはチョロチョロとしかお湯が注がれず、手前側にも奥側にも設けられた湯面下中程の側面の穴から源泉が投入されていました。熱い奥側の槽のお湯は浴槽から溢れ出さずに、全てが隣の手前側の槽へと流れ、更に手前側の槽は窓側の縁が若干高くなっているため、オーバーフローは全て反対側、つまり洗い場のカラン側へと流れていきます。つまり奥→手前→洗い場へ溢れだし、という感じで流れているわけですね。源泉温度が熱いので加水されているものの、循環消毒濾過などは一切なし。
大館界隈のお湯らしく典型的な硫酸塩泉で、見た目は無色透明、石膏味+微塩味、弱い温泉タマゴ臭+弱石膏臭が感じられます。食塩泉的なツルツル感と石膏泉のキシキシが混在し、トロミのあるお湯です。目を凝らしてお湯の中をよく見ると、微細な白い浮遊物が沢山た漂っています。これはおそらく湯の華でしょうね。決して汚れやそれに類するような物じゃありません。
味も匂いも濃いものではありませんが、お湯の温度が熱いからか、硫酸塩泉と食塩泉のパワーがしっかり効いているのか、とにかく湯上がりはかなり体が火照り、フラフラになってしまいました。玄関に入った時、休憩室でアイスを食べていた湯上がりのお婆ちゃんの気持ちがよく解りました。こりゃ何かしらの方法でクールダウンさせなきゃいかんよ。
とにかく地味ながら熱するパワーが強いお湯。早朝から営業しており、150円という安さがとっても魅力的。
地元の方々にとっての憩いのお風呂なのでした。
ていねいに使ってね・・・
軽井沢2号
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉 50.7℃ pH8.0 溶存物質2076.3mg/kg 成分総計2078.3mg/kg
JR花輪線・大滝温泉駅 徒歩15分(1km)
秋田県大館市軽井沢字五輪岱115-1 地図
0186-52-2905
4月1日~10月31日→5:30~21:30、11月1日~3月31日→5:30~21:00
第2・4月曜定休
150円
私の好み:★★
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