今回は小ネタです。
青森県の黒石から十和田湖方面に向かって国道102号線を走っていると、虹の湖と温川の中間あたりで「昭和平温泉団地」と記された大きな看板が目に入ってきます。以前からどんな温泉があるのか気になっていたのですが、調べてみても浴場らしきものが存在しているような様子はありません。
看板の下から岐かれてゆく国道の旧道沿いには温泉別荘地が広がっていますので、もしかしたら別荘所有者専用の外湯でもあるのではないかと勝手に想像して、試しにその分譲地へ進んでみることにしました。
分譲地内をぐるっと回ってみましたが、浴場らしき構造物は見当たりません。しかし旧国道沿いにこんなものを発見。ポンプ室のような小屋の傍に調整弁と記された看板が立っていて、その横にSUS製の小さな浴槽が置かれており、浴槽に向かって塩ビのパイプから透明のお湯が落とされていました。
浴槽に溜められているお湯は無色澄明で清らかなもの。入浴してみたいのは山々ですが、目隠しが無い完全露出状態で周囲には別荘や民家が建ち並んでいるため、こんなところで裸になったら不審者扱いされること必至ですし、住民の方々に対して失礼ですよね。
槽の傍らに立っている柱にはブラシが掛けてあるので、このお湯は洗車したり農作物を洗ったりするために用いられているのでしょう。
入浴を阻むものは視線の問題だけではありません。かなり熱いのであります。この時の実測で47.5℃ですから、我慢すれば10秒くらいは入れるでしょうが、とても寛いでいられるような湯加減ではありません。手を突っ込んで感触を確かめてみると、スベスベ感を有する優しいもので、知覚的には無味無臭でした。虹の湖周辺に湧出する温泉でよくみられるタイプですね。単純温泉でしょうか。このお湯は当然ながら住宅各戸に配湯され、浴用に利用されているのでしょう。
訪問後に改めてよく調べてみたら、この昭和平温泉にはかつて宅地入口付近に「むらさき荘」という旅館があったんだそうですが、残念ながら平成15年に廃業してしまったんだそうです。もう少し早くその旅館の存在に気付いておくべきだった…。
青森県平川市某所
近隣住民への迷惑が及ばないよう、地図による場所の特定は避けておきます。
コメント
これは知りませんでした
雪解け後に行ってみたいなぁ‥。しかしGWまでは無理なんですが‥。
我慢しました
こんばんは。
とても綺麗で良質なお湯ですし、量も問題なさそうなので、外湯があっても良さそうな温泉でした。調べてみると、この浴槽は最近置かれたみたいで、それ以前は垂れ流しだったらしく、アビルマンでこのお湯を楽しんだ方がいらっしゃるみたいですね。私もスッポンポンになってこの浴槽にダイブしたかったのですが、少ない理性を総動員してぐっと堪え、浴槽の前で指をくわえておりました。
年末のNZ、お気をつけて楽しんできて下さい(^^)
Unknown
え~、わたくしこの温泉には、数年前の真冬に友人と二人で行って、入浴しちゃいました! (^_^;) 冬なので温度は適温でしたが、さすがに短時間でやめておきました。
この温泉団地は奥の方に源泉小屋がもう一つあって、その小屋から伸びるパイプで、側溝に大量のお湯が垂れ流されていて、更にそれが傍を流れる沢に、滝状に落とされて湯気を上げるという、極めて勿体無いことになっています。
以前、或る温泉マニアがこの沢の中に降りて、打たせ湯よろしく湯あみを楽しんだらしいです。
浅瀬石川沿いには他にも何ヵ所もの温泉地があり(虹の湖に沈んだ温泉もあります)、温泉豊富な青森県でも、特筆すべき温泉密集地帯ですね!
Unknown
>MR.Aさん
ここへ入ったんですか!? その度胸には恐れ入ります(笑)。なるほど、冬に行けば入浴できる温度にまで下がっていそうですね。でも寒そう&雪で冷たそう…。このエリアって、この地区の他にも廃墟になった温泉別荘地や廃業しちゃった温泉旅館が点在していますよね。でも温川山荘ですら廃業してしまったのですから、国道102号の沿道は、商売には向いていないのかもしれませんね。
はじめまして
祖母の山小屋(別荘というのもおこがましいのでこう呼んでおりました)のある昭和平温泉をふと検索してこちらに辿り着きました!
昭和平温泉、入ると身体が温まり、お肌もすべすべになりましたよ(*^_^*)
自宅は別にあったので普段は空き家だったのですが、温泉のお湯は大した金額ではないため、お風呂は常に出しっ放しにしていた時期もあったように記憶しています。
周りには沢山の種類の山菜、野いちご、山百合、カモシカなんかもいて…
懐かしくて思わずコメントさせて頂きましたm(_ _)m
Unknown
みに丸さん、はじめまして。
お祖母様の別荘がこちらにあるのですね。「お風呂は常に出しっ放し」という点に憧憬の念を抱きながらコメントを拝読致しました。自然豊かな環境の中で、あの綺麗に澄み切ったすべすべのお湯に浸かれるだなんて、羨ましいことこの上ありません。あのエリアには温泉付き別荘地が他にもいくつかありましたが、多くは草叢になってしまったので、まだ別荘地として残っている昭和平にはこれからも頑張っていただきたいものです。素敵な思い出話をありがとうございました。