岩木山の名湯・嶽温泉は、週末になれば観光客で賑わいますが、それとは対照的に、同じく岩木山の麓にあって嶽温泉の至近に位置している湯段温泉は、いつ訪れても静かで寂しく、寂しいどころか、宿によっては崩壊しちゃったり、営業規模が縮小されたりと、年々斜陽の色合いを濃くしているように感じられます。そんな湯段温泉にあって、宿泊も日帰り入浴もしっかり営業しているのが「ゆだんの宿」。津軽地方に所用があった某日、こちらへ立ち寄って日帰り入浴させていただきました。
館内はウッディーで落ち着いた、民芸調の佇まいです。帳場にて声を掛け、まず岩木山エリアの協賛施設で利用できる「湯めぐり手形」を購入してから、その1回分をこちらで使用しました。湯段温泉には4軒のお宿が営業していますが、「湯めぐり手形」を利用できるのは「ゆだんの宿」1軒のみです。
ご参考までに、上画像が岩木山エリアの「湯めぐり手形」です。裏表両面を表示しています。1000円で3箇所の施設に入浴可能で、利用の度に裏面のシールが剥がされます。利用可能施設に関しては公式サイトをご覧ください。
脱衣室はフローリングで、そこそこ広く、ユニットタイプの洗面台が1台あり、冬期のためのストーブも設置されていました。
お風呂は男女別の内湯のみで、露天風呂はありません。壁の上半分は塗装、下半分はタイル貼りで、床には木板を模した化成床材が用いられています。全体的に白色基調で統一されており、その色調と大きな窓のおかげで、日中でしたら照明を点けずとも十分な照度が確保されていました。
洗い場にはシャワー付き混合水栓が2基並んでおり、カランから出てくるお湯は真湯です。
浴槽はほぼ正方形でおおよそ2~3人サイズ。湯段温泉は湯治場としての性格が強いためか、こちらのお宿に限らず、どのお宿でも浴槽のサイズは2~3人サイズの小さなものばかりです。
浴槽のお湯は全量が縁の切り欠けから溝を流れて排湯されており、溝の流量が大きいため、湯船に人が一人くらい入った程度では床へオーバーフローしません。
槽内はタイル貼りですが、温泉成分の付着により全体的に濃いベージュ色に染まっています。また、かまぼこのような緩い曲線を描く縁も、槽内同様に元々何かしらを色を有するタイル貼りなのですが、長年に及んで温泉成分がコーティングされることにより、元の色はさることながら、タイルの目地すらわからなくなっていました。槽内への付着もかなり厚く、まるで樹脂でコーティングされたかのように、その表面はとても滑らかな状態になっていました。
バルブ付きの配管よりお湯がたっぷり吐出されています。湯船のお湯は薄い山吹色に弱く懸濁しており、私の訪問する前までは、しばらく入浴者が無かったのか、湯面に酸化皮膜(アブラが浮かんでいるように見える現象)が浮かんでいました。湯口のお湯を手に掬って口にしてみると、薄い塩味+金気味+土気味+甘みを伴う石膏味+ほろ苦み、そして炭酸味が口腔内に広がり、弱金気臭+弱土気臭+石膏臭+何かが焦げたような感じの匂いがお湯から漂っていました。そして湯船に浸かってみますと、しっかりギシギシと引っかかる浴感の他、弱いスベスベ感も混在して肌に伝わってきました。もちろん湯使いは完全掛け流しです。湯上がりの温まりは実に強力で、退館後しばらくは発汗が止まりませんでした。
上述にて湯段温泉には4軒の宿があると申し上げましたが、うち2軒は現在宿泊営業をやめており(日帰り入浴のみ)、宿泊できるのはこの「ゆだんの宿」を含む残り2軒だけという、何とも寂しい状況であります。とはいえお湯は素晴らしく、とても静かで(良い意味で)世間の喧騒を忘れられる環境ですから、もし機会があれば、次回は宿泊で利用してみたいと思います。
湯段温泉組合6号泉
ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 45.5℃ pH6.37 湧出量測定不可(動力揚湯) 溶存物質2.615g/kg 成分総計2.891g/kg
Na+:365.7mg(43.21mval%), Mg++:114.9mg(25.67mval%), Ca++:192.4mg(26.07mval%), Fe++:2.7mg,
Cl-:735.1mg(55.98mval%), Br-:1.7mg, SO4–:266.0mg(14.96mval%), HCO3-:654.0mg(28.94mval%),
H2SiO3:206.0mg, CO2:276.2mg,
青森県弘前市常盤野字湯段萢8 地図
0172-83-2234
日帰り入浴時間8:00~19:00
350円
シャンプー類あり
私の好み:★★+0.5
コメント
Unknown
一般人的視線で言えば、湯段で一番(唯一)入館しやすい温泉かも知れませんね。
他は雰囲気的に近寄りがたいかなと。
その前に、湯段温泉自体に一般の人が来る気配がないのが問題ですけど。(^^;
先週岩木山に行った時に、行って来れば良かったなー。
三本柳2時間コースで満足し、その日は1湯で終わっちゃいました。
Unknown
一般人的視線で言えば、湯段で一番(唯一)入館しやすい温泉かも知れませんね。
他は雰囲気的に近寄りがたいかなと。
その前に、湯段温泉自体に一般の人が来る気配がないのが問題ですけど。(^^;
先週岩木山に行った時に、行って来れば良かったなー。
三本柳2時間コースで満足し、その日は1湯で終わっちゃいました。
Unknown
一般人的視線で言えば、湯段で一番(唯一)入館しやすい温泉かも知れませんね。
他は雰囲気的に近寄りがたいかなと。
その前に、湯段温泉自体に一般の人が来る気配がないのが問題ですけど。(^^;
先週岩木山に行った時に、行って来れば良かったなー。
三本柳2時間コースで満足し、その日は1湯で終わっちゃいました。
Unknown
一般人的視線で言えば、湯段で一番(唯一)入館しやすい温泉かも知れませんね。
他は雰囲気的に近寄りがたいかなと。
その前に、湯段温泉自体に一般の人が来る気配がないのが問題ですけど。(^^;
先週岩木山に行った時に、行って来れば良かったなー。
三本柳2時間コースで満足し、その日は1湯で終わっちゃいました。
プンタさん
>他は雰囲気的に…
たしかに(汗)。一度入ったことのある他の宿ですら、再訪しようと思って現地まで行ってみるものの、そこはかとない退廃感に及び腰になって、踵を返してしまったことが何度かあります。
青森県民でも湯段温泉の存在を知っている方は、果たしてどれくらいいるんでしょう? 少なくとも知人の鰺ヶ沢民ですら 「どさだんずや?」という反応でした。
プンタさん
>他は雰囲気的に…
たしかに(汗)。一度入ったことのある他の宿ですら、再訪しようと思って現地まで行ってみるものの、そこはかとない退廃感に及び腰になって、踵を返してしまったことが何度かあります。
青森県民でも湯段温泉の存在を知っている方は、果たしてどれくらいいるんでしょう? 少なくとも知人の鰺ヶ沢民ですら 「どさだんずや?」という反応でした。
プンタさん
>他は雰囲気的に…
たしかに(汗)。一度入ったことのある他の宿ですら、再訪しようと思って現地まで行ってみるものの、そこはかとない退廃感に及び腰になって、踵を返してしまったことが何度かあります。
青森県民でも湯段温泉の存在を知っている方は、果たしてどれくらいいるんでしょう? 少なくとも知人の鰺ヶ沢民ですら 「どさだんずや?」という反応でした。
プンタさん
>他は雰囲気的に…
たしかに(汗)。一度入ったことのある他の宿ですら、再訪しようと思って現地まで行ってみるものの、そこはかとない退廃感に及び腰になって、踵を返してしまったことが何度かあります。
青森県民でも湯段温泉の存在を知っている方は、果たしてどれくらいいるんでしょう? 少なくとも知人の鰺ヶ沢民ですら 「どさだんずや?」という反応でした。
Unknown
まあ一般的には、唯一入りやすいのがこのゆだんの宿なのかもしれないけど‥
温泉をこよなく愛するなら、今は廃業してしまった静明館だね。あの古い建物。右から書かれた旅館という文字。正調津軽弁で、半分しか聞き取れず、意思の疎通が難しいけど、いつもにこやかでほっとするおばあちゃん。91才で亡くなったけど、吹雪でも、夏の暑い日でも、ちょうどいい時間に嶽温泉まで送り迎えしてくれたおじいちゃん。そして、いつまでもひざに乗って、喉をゴロゴロ鳴らしながら甘えてくれたネコちゃん。カランもないけど、加水加温など一切なく、源泉をいつでも貸し切りのお風呂。古いけど、それでいて清潔な家の中。間違いなく日本一の宿だった。
無人になり、雪の重みで倒壊した長兵衛旅館。今でも湯治風呂を残している新栄館。純粋湯治旅館ではなくなったけど、宿泊させてくれるゆだんの宿。どれも貴重な親戚4軒。
Unknown
まあ一般的には、唯一入りやすいのがこのゆだんの宿なのかもしれないけど‥
温泉をこよなく愛するなら、今は廃業してしまった静明館だね。あの古い建物。右から書かれた旅館という文字。正調津軽弁で、半分しか聞き取れず、意思の疎通が難しいけど、いつもにこやかでほっとするおばあちゃん。91才で亡くなったけど、吹雪でも、夏の暑い日でも、ちょうどいい時間に嶽温泉まで送り迎えしてくれたおじいちゃん。そして、いつまでもひざに乗って、喉をゴロゴロ鳴らしながら甘えてくれたネコちゃん。カランもないけど、加水加温など一切なく、源泉をいつでも貸し切りのお風呂。古いけど、それでいて清潔な家の中。間違いなく日本一の宿だった。
無人になり、雪の重みで倒壊した長兵衛旅館。今でも湯治風呂を残している新栄館。純粋湯治旅館ではなくなったけど、宿泊させてくれるゆだんの宿。どれも貴重な親戚4軒。
Unknown
まあ一般的には、唯一入りやすいのがこのゆだんの宿なのかもしれないけど‥
温泉をこよなく愛するなら、今は廃業してしまった静明館だね。あの古い建物。右から書かれた旅館という文字。正調津軽弁で、半分しか聞き取れず、意思の疎通が難しいけど、いつもにこやかでほっとするおばあちゃん。91才で亡くなったけど、吹雪でも、夏の暑い日でも、ちょうどいい時間に嶽温泉まで送り迎えしてくれたおじいちゃん。そして、いつまでもひざに乗って、喉をゴロゴロ鳴らしながら甘えてくれたネコちゃん。カランもないけど、加水加温など一切なく、源泉をいつでも貸し切りのお風呂。古いけど、それでいて清潔な家の中。間違いなく日本一の宿だった。
無人になり、雪の重みで倒壊した長兵衛旅館。今でも湯治風呂を残している新栄館。純粋湯治旅館ではなくなったけど、宿泊させてくれるゆだんの宿。どれも貴重な親戚4軒。
Unknown
まあ一般的には、唯一入りやすいのがこのゆだんの宿なのかもしれないけど‥
温泉をこよなく愛するなら、今は廃業してしまった静明館だね。あの古い建物。右から書かれた旅館という文字。正調津軽弁で、半分しか聞き取れず、意思の疎通が難しいけど、いつもにこやかでほっとするおばあちゃん。91才で亡くなったけど、吹雪でも、夏の暑い日でも、ちょうどいい時間に嶽温泉まで送り迎えしてくれたおじいちゃん。そして、いつまでもひざに乗って、喉をゴロゴロ鳴らしながら甘えてくれたネコちゃん。カランもないけど、加水加温など一切なく、源泉をいつでも貸し切りのお風呂。古いけど、それでいて清潔な家の中。間違いなく日本一の宿だった。
無人になり、雪の重みで倒壊した長兵衛旅館。今でも湯治風呂を残している新栄館。純粋湯治旅館ではなくなったけど、宿泊させてくれるゆだんの宿。どれも貴重な親戚4軒。
Unknown
>ぱぺこさん
頂戴したコメントから湯段温泉への熱い想いが伝わってきました。私も湯段温泉は好きで、新栄館、廃業してしまった静明館、建物が倒れてしまった長兵衛旅館も何度か利用しております。
コメントありがとうございます。
Unknown
>ぱぺこさん
頂戴したコメントから湯段温泉への熱い想いが伝わってきました。私も湯段温泉は好きで、新栄館、廃業してしまった静明館、建物が倒れてしまった長兵衛旅館も何度か利用しております。
コメントありがとうございます。
Unknown
>ぱぺこさん
頂戴したコメントから湯段温泉への熱い想いが伝わってきました。私も湯段温泉は好きで、新栄館、廃業してしまった静明館、建物が倒れてしまった長兵衛旅館も何度か利用しております。
コメントありがとうございます。
Unknown
>ぱぺこさん
頂戴したコメントから湯段温泉への熱い想いが伝わってきました。私も湯段温泉は好きで、新栄館、廃業してしまった静明館、建物が倒れてしまった長兵衛旅館も何度か利用しております。
コメントありがとうございます。