新北市金山区 磺港公共浴室

台湾


前回記事で取り上げた新北市金山区の漁港にある温泉共同浴場「南屏公共浴室」から数百メートル移動して、ちょっとだけ街の方へ戻ってまいりました。
上画像で路肩に駐車している白い車は私が借りていたレンタカー。道をまっすぐ奥の方へ進んで「磺港大橋」を渡ると金山の漁協や温泉リゾートホテルがあり、橋の手前の丁字路を右折すると、前回記事の「南屏公共浴室」がある漁村集落に向かいます。


その丁字路や「磺港大橋」の傍にある温泉共同浴場「磺港公共浴室」で入浴することにしました。「南屏公共浴室」と同様の意匠により制作された看板が通りに面して立っていますので、現地に来れば迷うことなくこの浴場を探し当てることができるでしょう。
私はこちらの浴場にいままで何度か足を運んでいるのですが(2010年に訪問した時の記事はこちら)、訪れる度に浴槽のお湯が抜かれた状態になっており、入浴することができなかったのです。そこで今回はしっかり下調べをし、お湯の張られている時間帯に訪問しました。


浴場のまわりは公園として整備されており、以前は足湯が設けられていたのですが、訪問時(2019年3月)は園内工事のため、足湯など公園の設備は撤去されていました。


園内の植え込みには源泉施設があり、小さな躯体でカバーされているのですが、工事のためか老朽劣化なのか、温泉の熱いお湯が施設の箱から植え込みの中に大量に漏れ、道路の方まで垂れ流されていました。上画像を見ますと、植え込みの土の上で白い湯気が濛々と上がっており、お湯が排水溝のグレーチングへ落ちている様子がおわかりになるかと思います。あぁ、もったいない。


園内には木造の小屋が2棟並行に建っているのですが、奥へ並列になっているため、正面から見ると1棟しか建っていないように勘違いしてしまいます。上画像をご覧ください。ここには1棟しか写っていませんが、この裏手にほぼ同じサイズの建物が隠れています。なお正面に建つこの建物はトイレです。


トイレの裏手の建物が湯屋。男女別に入口が分かれています。


金山エリアにある他の温泉共同浴場と同様にこちらも無料で利用できますが、利用時間は朝と夜の1日2回と決められており、昼間と真夜中はお湯が抜かれちゃいます。詳しくは上画像、もしくは本記事の下部にてご確認ください。


浴室は至ってシンプル、というか簡素。ドアの無い入口から中へお邪魔すると、いきなり浴槽が視界に飛び込んできます。そしてこの浴室の壁際に棚が括りつけられており、その場で着替えてすっぽんぽんになります。台湾の古い共同浴場にはありがちな構造なのですが、浴槽や洗い場と更衣ゾーンが接近しすぎており、また床も同じレベルでスノコすら敷かれていないため、足元がビチャビチャの中で着替えることになります。土足で入ったその場で着替え、その場で掛け湯をするといった感じですので、衛生面に神経質な方は眉を顰めてしまうかもしれません。


湯船は深い造りなのですが、訪問時は半分しかお湯が溜まっておらず、若干寝そべる形で湯浴みしました。また水道の蛇口以外にカランが無いため、綺麗なお湯で掛け湯したければ、奥にある湯口の傍まで移動し、湯口から直接お湯を汲まなければなりません。
前回記事でも述べましたが、金山エリアの温泉は、金気を含む黄土色の濁り湯か、しょっぱくて酸味も強い酸性泉のいずれかに分かれますが、こちらのお湯は前者に属し、浴槽のお湯は強く黄土色に濁っています。またお湯が流れる床や飛沫が着く壁などは赤茶色に濃く染まっていました。塩化土類泉系のお湯と思われ、金気と土気が強い湯中ではキシキシと引っかかる浴感が得られ、肌の皺の奥までお湯が入り込んでくるような感覚を覚えます。循環や消毒など無い放流式の湯使いですが、湧出温度が高い為、残念ながら湯口のお湯を出しっぱなしにすることができず、実質的には加水した上での溜め湯状態となっています。

訪問時はおじいちゃん2人が全身を石鹸の泡だらけにしながら垢を落としていましたが、その泡を湯船に入れちゃうは、室内の隅っこに痰を吐くは、挙句の果てには全裸のまま銜えタバコで佇むはで、正直良い気分で入浴することができませんでした。近年の台湾は公共マナーの意識が飛躍的に向上しており、感心させられることも多いのですが、昔からの住民が利用しているこの施設では、そんな時代の潮流なんてどこ吹く風で、いまだに蒋経国時代の感覚が残っているのかもしれません。
その一方で、おじいちゃんたちが去った後は、明らかに他所者と思しき風貌の若くて大人しそうな男性がやってきて、室内をキョロキョロしながら入浴にチャレンジし、公共浴場を楽しんでいました。
この温泉浴場は、いろんな時代の、いろんなお客さんを、懐広く受け入れているのですね。


新北市金山区磺港路208号

夏季(6月1日~10月末)→5:00~9:00、17:00~21:00
冬季(11月1日~5月末)→5:00~9:00、16:00~20:00
無料
備品類なし

私の好み:★★

コメント

  1. yuyuy より:

    Unknown
    hi K-I san,

    I also went 金山 this week ! It has been long time (more then 25 years) since my last visit. The transportation took 1.5 HRs but totally worthy. We stayed 2 nights in a guest house (very modern and spacious, reasonable priced 1600 NT for 35M sqare twin room ) then visited all the 6 free public bath. I recommend the paid bath “沐川溫泉” which locates opposite to “火山浴溫泉館”. It is more economic (private bathroom for 2 persons = 150NT). And the quality of water is marvelous. It is acid salty sulphur spring in green gray color. Very strong smell ! The bathroom is airy and look clean (if you go early). The staff are kind and in blood manners. Maybe next time K-I san could also try this place.

  2. yuyuy より:

    Unknown
    ah…mobile TYPO! the staff are in “good” manners.

  3. K-I より:

    Unknown
    yuyuy先生

    你好。
    我去過金山很多次,但是我不知道沐川溫泉。我喜歡金山的強酸溫泉。
    >1600 NT for 35M sqare twin room!!
    性價比高!
    下次去金山的時候,我打算住在那家酒店。
    感謝您提供有用的信息:)

    I have been to 金山 many times but I didn’t know “沐川溫泉”. I like the strong acid hot spring in 金山.
    >1600 NT for 35M sqare twin room!!
    It ’s very reasonable.
    Next time I go to Kanayama, I will stay at that inn.
    Thank you for your the great information!

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