古奈温泉(伊豆長岡) 弘法の湯 本店

静岡県


(2021年5月訪問)
前回記事の韮山温泉館からてくてく歩いて狩野川を渡り、古奈地区へとやってまいりました。一般的に、この古奈地区の温泉は知名度の関係で伊豆長岡温泉の一部に属しているような扱われ方をしますが、狭義の伊豆長岡温泉とは場所も源泉も異なるため、本記事では古奈温泉として取り扱うことにします。
今回訪ねるのは「弘法の湯 本店」です。「弘法の湯」グループは広義の伊豆長岡温泉エリアに3店舗運営しており、うち古奈温泉にある本店と、伊豆長岡温泉の長岡店で日帰り入浴可能です。この時は日帰り入浴で利用させていただきました。訪問時、建物は改装工事中だったため、上の画像にはブルーシートが映り込んでいますが、この記事が公開される時点では既に工事が終わって取り払われているものと思われます。


こちらのお宿では北投石によるホルミシス効果が売りらしく、公式サイトのほか、玄関前にもその効能を謳った看板が大きく掲げられているのですが、この手の効果について私は「信じる者が救われる」ものだと考えておりますので、信心がちっともない私のような不届者には効果が及ばないんだろうなぁ、なんて些末なことを思いつつ入館したのでした。


帳場で日帰り入浴をお願いしますと、快く受け入れてくださいました。なお食事のみの利用も可能なんだそうです。帳場で料金を支払いますと、引き換えに更衣室のロッカーキー、そして館内案内図を受け取ります。私のような初見の客にとって、この館内図は非常に重要です。と言いますのも、館内は広くて部屋がたくさんある上、廊下があちこちで曲がったり分岐しているので、地図が無いと迷子になってしまうこと必至なのです。


こんな迷える子羊ならぬ初見の私みたいな客でもお風呂へたどり着けるようお宿側もちゃんと配慮しており、受付で配布する館内図の他、廊下には青いカーペットが敷かれていて、帳場からこの青いカーペットに従って奥へ奥へと進んでゆくと、やがて男女各浴室へたどり着けるようになっています。私もこのカーペットが無ければ、地図を片手にキョロキョロあたりを見回し、迷って迷って半泣きしていたことでしょう。カーペットに導かれて奥へ進んでゆくと、まず女湯として設定されているいくつか浴室前を通過します。男湯は更に奥へ。


結構進んだ先に男性更衣室がありました。ロッカーは帳場でもらったキーで指定された番号の箇所を使います。鍵を開けるとロッカー内部にはバスケットが収められており、その中にはフェイスタオル1枚とバスタオル1枚が用意されています(1日コースの場合)。更衣室内はエアコン完備で、ウオーターサーバーによる飲用水のサービスがあり、また各種アメニティも揃っています。また室内の一角には自由に着用できる浴衣が積まれており、内湯や更衣室からちょっと離れたところにある露天風呂や休憩室へ行く場合、男女共用の岩盤浴を利用する場合などにはこの浴衣を利用することになります。着替えを済ませていざ内湯へ。

(今回記事では浴場内の画像はございません。また公式サイトからの借用も禁じられていますので、今回記事では文章のみで説明させていただきます)

まず内湯に入ってビックリ。室内には湯気が濃く充満しており、まるでミストサウナ状態なのです。はじめ入室先を間違えたのかと思ったのですが、どうやら内湯はこの湯気がモクモクしたところで間違いないらしく、お宿側の説明によればラジウムを逃さないようにするため窓を閉め切っているんだとか。それゆえ窓を開けないでほしいとのことですが、果たしてこの効果を信じている人がどれほどいるのかしら…。いや、冒頭でも申し上げたように信じる人こそ救われるのですから、疑い深く邪念にまみれた私のような人間に効果が及ぶことはないのでしょう。
出入口付近には洗い場が位置しており、シャワー付き混合水栓が10~12か所ほど設置されています。そしてその隣に主浴槽が据えられています。石材で固められた武骨な感じの造りで、その大きさは3.5×3メートルほどでしょうか。加水された温泉が放流式で供給されています。充満した湯気の中で湯浴みするわけです。

主浴槽から更に奥へ進んで仕切られた部屋に入ると、そこはミストサウナ室。横に寝そべって、天井から霧吹き状態で落ちてくる温泉を全身に浴びます。以前神奈川県津久井郡藤野にあった「東尾垂の湯」にも同様な設備があって私は大好きでしたが、あいにく「東尾垂の湯」は閉館してしまったため、その施設を思い出しながら、温泉ミストをたっぷり浴びたのでした。ここのミストサウナもなかなか良いですよ。


続いて岩盤浴も利用してみました。この施設では日帰り入浴料金の中に岩盤浴の利用も含まれています。上述した更衣室に積まれた浴衣を着てから、いったん廊下に出て、すぐ目の前にある男女共同利用の岩盤浴室へと入ります。
室内は左右に分かれており、右が比較的ぬるめ、左が熱めです。横に臥せるブースはたくさんありますから混雑で入りきらないということはないかと思いますが、でもその都度ブースを清掃しているわけではないため、場合によっては前の客の汗がそのまま岩盤の上に残っている可能性もあるじゃないかしら、なんてと思ったりしました(単に私が消毒作業を見ていなかっただけかも。その場合は申し訳ございません)。


露天風呂も浴衣に着替えて一旦更衣室から廊下へ出て向かいます。露天風呂には脱衣室は無く、ただ棚があるだけで至って質素。洗い場もシャワーが1つあるだけで、滑りやすいために石鹸やシャンプーなど使用禁止となっています。ということは内湯で体を洗ってから利用することが前提になりますね。
旅館内の庭園に設えられた露天風呂で、周囲の景色が見えるわけではないので大して開放感はないのですが、雰囲気はまずまず良いため露天らしい清々しさを味わうことができました。温泉のお湯は浴槽中央から投入されており、浴槽の縁からしっかり溢れ出ています。内湯同様しっかり放流式の湯使いです。ちょうど床に横になってオーバーフローのお湯に触れられるスペースがあったので、他にお客さんがいないことを確認してトドになってみました。外の風に吹かれながらのトド寝は気持ち良いなぁ。

さてお湯の特徴ですが、無色透明無味無臭でサラサラとした浴感の湯です。アルカリ性ですが特段ツルツル感が強いわけでもなく、いまひとつ個性に欠けるような気もしますが、でもこういうアッサリとしたお湯は万人向けですので、敏感肌な方も刺激に弱い方も安心して湯浴みを楽しむことができるかと思います。なお各浴槽とも41℃前後の入りやすい湯加減に調整されていました。分析表を見ますと溶存物質615.3mgなので確かに薄いお湯なのですが、それでも何だかんだで芒硝型になっており、こうしたお湯の特徴はいかにも中伊豆らしいところと言えましょう。湯上がりはしっかり体の芯まで温まるので、アッサリ系とはいえさすが温泉の底力を実感します。


お風呂上がりは休憩室でひと休み。今回私が利用したのは夕暮れコースですが、1日コース(もしくはタオルなしコース)は8:00~22:00まで最大14時間も滞在できちゃうので、頭を空っぽにしてひたすらのんびり湯浴みと睡眠したいという方におすすめ。しかもこのような広い部屋が使えるのも嬉しいところですね。

伊豆の国市長岡1157-2 第一貯湯槽
アルカリ性単純温泉 59.6℃ pH9.1 溶存物質615.3mg/kg 成分総計615.3mg/kg
Na+:162.1mg(88.24mval%),
Cl-:120.8mg(40.89mval%), SO4–:193.0mg(48.20mval%), OH-:0.2mg,
H2SiO3:76.8mg,
(平成26年12月2日)
加水あり、加温循環消毒ろ過なし

静岡県伊豆の国市古奈1179
0120-57-2617
ホームページ

日帰り入浴8:00~22:00(露天風呂は10:00~22:00)
1日コース(8:00~22:00まで最大14時間滞在可。レンタルタオルと浴衣付き)1600円
タオルなしコース(8:00~22:00まで最大14時間。レンタルタオルや浴衣は無し)1300円
夕暮れコース(16:00~22:00。レンタルタオルと浴衣付き)1000円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5

コメント

  1. ぬる湯マスター より:

    Unknown
    こんばんわ^^。
    ここ、検索すると必ず出て来るので気になっておりました。
    中はこんな風になっているのですね。参考になります。
    冬期に毎週伊豆国際CCでゴルフをする折に、
    例の旅館一二三、伊豆温泉村などに泊まっているのですが、
    ここも良いなぁ、と思っておりました。かく言う私も、
    エロと邪念に塗れた不届き者とは言え、、、
    1泊くらいは許されるものと推察します^^b

  2. K-I より:

    Unknown
    ぬる湯マスターさん、こんにちは。
    伊豆はいろんな宿泊施設があるので、宿選びは迷いますね。私のような煩悩まみれでも弘法の名を冠したお風呂に入れましたから、ぬる湯マスターさんでも全く問題ないかと思います(^^)

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