桧枝岐温泉 燧の湯

福島県

(2025年7月訪問)
福島県檜枝岐村には日帰り入浴専門の温泉施設が3つあり、そのうち最も尾瀬寄りにあるのが今回取り上げる「燧の湯」です(他は「駒の湯」と「アルザ尾瀬の郷」)。私がこちらを訪ねた7月某日はハイキング日和だったためか、尾瀬から帰ってきたばかりと思しきハイカーの方が多数いらっしゃいました。

100円リターン式の下足箱に靴を収めて帳場へ進み、券売機で料金を支払って目の前のカウンターにいるスタッフさんにに券を渡します。木材をふんだんに使った館内からは、木のぬくもりと優しさが伝わってきました。

建物の中央部は休憩スペースのほかマッサージコーナーが設けられており、そのホールを挟んで左側に女湯が、右側に男湯が、それぞれ配置されています。

脱衣室はそこそこ広く、利用客が多少集中しても問題ない収容力を擁しているかと思います。高冷地ゆえ冷房はありませんが、室内では扇風機がグルグル回っていました。なお脱衣室内に設置されているロッカーは貴重品専用の小さなもので、下足箱同様に100円リターン式です。余談ですが一角にはかけ流しを称える野口悦男氏の書状が掲げられていました。

檜材を多用した内湯は天井がとても高く、また窓も大きく採られているため、明るく開放的で非日常感を味わえます。男湯の場合は、入って右側に洗い場があり、シャワー付き混合水栓が計8ヶ所設置されています。一方、正面から左にかけての窓側に大きな湯船が据えられており、その大きさは私の目測で奥行2m弱、幅6~7m弱といったところでしょうか。浴槽内は石板張りですが縁には立派な檜材が用いられています。最奥の石樋のような湯口からお湯がトロトロと注がれ、湯船を満たしたお湯は窓側の溝へオーバーフローしています。

テラスのような場所に設けられた露天の岩風呂は、真下を川が流れ、周囲を木立が囲うという自然豊かな環境です。ただ、そのような環境ゆえ私が利用した時期はアブが非常に多く、落ち着いて湯浴みできなかったのは残念でした。

こちらの浴場は建物のみならずお湯も出色です。お湯の見た目は無色透明で、白い湯の花が僅かに湯中で舞っています。湯口から出るお湯を手に掬って口に含んでみますと、チオ硫酸イオン由来と思しきタマゴ味とタマゴ臭がしっかり感じられます。このタマゴ感(硫黄感)は火山的硫黄感ではなく、アルカリ性単純泉にありがちな硫黄感と表現すると、分かる人には伝わるかと思います(独りよがりのわかりにくい表現でごめんなさい)。また湯船に浸かるとローションみたいにトロトロしており、肌に伝わる滑らかなツルスベ浴感もしっかりしていて、湯船ではひたすら自分の肌をさすって気持ち良いツルスベ感を楽しんでしまいました。分析表に寄ればCO3イオンが20mg以上含まれているので、これがトロミや滑らかな浴感をもたらす理由のひとつでしょうね。
溶存物質・成分総計ともに0.3895g/kgと数値を見る限りは少ないのですが、総硫黄と炭酸イオンは一般的な単純泉よりはるかに多く、それゆえ湯船で得られる特徴も極めて個性的なお湯。それでいて内湯・露天ともにかけ流しの湯使いなのですから素晴らしいではありませんか。

桧枝岐温泉5号
単純硫黄温泉 63.5℃ pH9.1 69L/min(動力揚湯) 溶存物質0.3895g/kg 成分総計0.3895g/kg
Na+:100.0mg(91.18mval%),
F-:18.8mg(19.28mval%), Cl-:72.6mg(39.90mval%), OH-:0.2mg, HS-:2.4mg, S2O3–:2.8mg, HCO3-:58.7mg(18.75mval%), CO3–:21.7mg,
H2SiO3:83.1mg,
(平成30年8月11日)

福島県南会津郡檜枝岐村上ノ台208-1
0241-75-2290

平日(火曜以外)13:00~20:00(19:30受付終了)
土日祝6:00~20:00(19:30受付終了)
火曜定休 
1000円
貴重品用ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★

 

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